スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。映画の感想を書いていきます。(^o^)

原節子 「我が青春に悔いなし 」1946年公開 黒澤明監督

原が95歳の生涯を閉じたと報道があった。青い山脈をはじめその他たくさんの映画に出た後、43さいで、女優から引退し、その後誰にもみつからないまま、市井のなかにまぎれ埋もれたように身を隠した。パパラッチなどもほぼ彼女をみつけることができず、その後の彼女の足跡は昂然と消えた。

とても不思議な話だ。
我が青春に悔いなしはちょっと変わった原の面が見られるというか、そんな気がした。東京物語などの良い子ちゃんぶった原ではない気がした。良い子ちゃんぶったのでもなかろう。そういう脚本に忠実に応える彼女であったのだろう。
やんごとなき教授の娘の原は、ある日父の教え子の一人の青年と出会う。かれは戦争反対の左翼の思想にかぶれ、そういう運動をやっているのだった。かれの話をきいているうちに原は理解し、その実直な
いちずさにひかれていく。もちろん二人は親の目を盗んで会ったりして情愛を高めていく。二人は結婚の誓いをかわすのだった。だが警察に追われたかれは逮捕され投獄され、戦争反対者として殺される。
原はくるしみ、家を捨てて、かれの故郷である山深い農村へと旅立つ。そこには年老いたかれの父と母がぼろい小屋のような家で暮らしていた。わらうち仕事をしている父に挨拶したりするが、無口な父はほとんど返事もしない。しかし原はこの家で、必死になって働くようになる。農業のイロハから始め、土にまみれて働く彼女だが、やはり浮いてる感は半端なく、土と一体化ができていない。何故なのか黒沢の指導がなまぬるいのか。だめだこれじゃあ!土が原を拒むのか、原が土を拒否するのかどちらかは分からぬが、どちらにしても原の体は米など土の産物でつくられたものではないか。もうちょっと身を入れて農業にいそしむべきだろう。
信用されていなかった原も、すっかり農家の主婦のようになりかれの親たちからも信用されはじめる。
しかし 村人たちからひどい暴力をうけるようになる。かれの家族全体が売国奴だの犯罪者だのとののしられることになった。
そうしている間に終戦となり、戦犯のひとたちが犯罪者として裁判につぎつぎとかけられるようになったのだった。そうして戦争に反対して殺されたかれのことでさいばんがおこなわれ、かれのつみはすべてきえることになった。それどころか、娘の大学教授の父親が証人に立って、かれがいかにして国に殺され、かれの反戦の運動は正しかったことを述べるのだった。
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