スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

オディセイ 2015年

マットデーモン主演の宇宙物です。宇宙対応の大きなドームヘルメットから見える顔はビューティフルマインドのラッセルクロウとよく似ててね、ウッカリ者のスッポコはラッセル主演のものならと、見てしまった。

しかし、出て来たのは当たり前マットデーモン兄貴であった。

ラッセルクロウであったら難しいトラブルに会ってしまい、とても地球に生還などできなかったかもしれない。なんでも難しく考えてしまうのだから。

火星の大嵐で負傷して風に飛ばされ行方不明になる彼(ワトニー)である。残りのクルーはやっとの事で火星を脱出して、地球に帰ったが、政府はワトニーのことは死んだことにしてしてしまった。

ワトニーは残りの食物などで、生き延びることをかんがえるのだった。考えたところで、火星で、うまく生涯を送ることにどんな意味があるのか疑問であるが。

彼は寒さと戦う、Hungerとたたかう。感謝祭のために取って置いてあったジャガイモを見つけて、

畑を耕しジャガイモの栽培に成功する。400個も収穫する。過酷な環境で、ありったけののアイデアを出して生きて行くのだった。そりゃあ、宇宙飛行士は、生え抜きのエリートで、オツムがよろしいからなと、感心して見ていた。

ある日、通信手段を見つけて地球に通信したところNASAでキャッチされ、彼が生きていることがとうとう地球の人々に確認されたのだった。

大騒ぎになって、救出チームが組まれてロケットが火星に飛ばされたのだった。

この映画での一か八かの判断は、大体は緻密な科学的知識に裏打ちされたものであったが宇宙の藻屑となるか、帰還して地球人となるかの境は紙一重であった。それでも人間たちは宇宙の大自然に果敢に臨み、彼の奪還に成功するのだった。人間の知恵と勇気の賛歌といったところだ。

地球に帰って来た彼はNASAで自分の体験をはなし、英雄としてadmireされるのだった。

 

 

 

 

神童 2006年 成海 璃子 松山ケンイチ共演

ピアニストを目指す二人は年が違うが変に気があった。璃子は神童で、幼い時からピアノを弾いている。母が常に監視していて、手にはいつも手袋をはめているのだった。異常というぐらいに神経質に娘の管理をしていた。将来娘が名声あるピアニストになるためにはどんなことでもしようとおもっているかのようだった。

だが璃子は母の過干渉が気に食わないのだった。彼女の逃げ場は、高校3年の松山であった。

彼もピアノを弾き音大の試験に向かって特訓をしているのだった。

璃子は彼のピアノを下手くそと言って笑うのだった。璃子は神童であり松山のピアノを良い方へと導くのだった。

そのおかげで、松山は音大に首席で入学する。彼はピアノのうまい先生について学ぶのだが、その先生のピアノには、何か心がないのだった。海外から凱旋した女流ピアニストのことも、璃子はキャンディーのようにあまっ苦しいピアノだといって批判する。ピアノの心を知る一言であった。

璃子の父もピアニストだったが、難聴の病に罹り、大変悩み、その悩みの中で、突然死んでいった。

自殺かもしれないがはっきりとしないのだった。璃子の家族にはそれが暗い影を投げかけていた。

璃子も同じ病気で耳が聞こえなくなるのではという不安があった。ある日、耳がジージーいってセミが鳴いているようだと感じた璃子は自分の音楽人生がどうなるのかと強い不安を感じるのだった。

そんなある日、外国の有名なピアニストの演奏会が催された。そして、体調を崩したピアニストに代わってステージでピアノを弾くのは、璃子であった。

そんなうまい話がどこに転がっっているものか。ちょっと作りすぎである。

璃子は最後までピアノを弾き、倒れてしまう。あーあ。シャインのような筋書き。

そして家出してしまうのだった。母親はオロオロするのだが、松山は彼女の行く所が分かっていた。

璃子の父が言っていたピアノの墓場という倉庫のあるところであった。

そこには彼女の父のピアノがあった。彼女はそれを見つけそれを弾くのだった。松山もやって来て二人で弾くピアノはゆったりとゆっくりと璃子の心の苦しみを溶かして行くのだった。

うまい話なので、もう少し脚本を練ったり、松山をもう少しかっこよく撮ってやるべきだった。

 

 

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西鶴一代女 1952年 溝口健二監督

これも古い映画だが、田中絹代と溝口監督のコンビで頑張ったえいがである。田中も迫真の演技というか、気合が入っていた。溝口も鬼気迫るような気持ちで望んだ事がよく分かるのだ。ただそれが分かりすぎてしまい、見ているものを圧迫するのである。見ているものは苦しくなる。アソビが無くなると、息継ぎも上手くできなくなる。

元は武家の娘で、京都の御所に勤める娘であったのが、ある男との恋のために所払いとなり、相手の男は打ち首で死んでしまう。

絶望した女は、お店に勤めたり、白拍子になったりして流れて行く。いろいろ迷い迷って、体を売る女郎にまで落ちぶれ、それも辞めて、女コジキになってしまう顛末である。

途中で 名家の松平の殿様の側室にもなり、若様を生んだのだが、生んだ途端に追い払われて出て行くしかなくなるのだった。親は側室になったと言って喜び、たくさんの反物を買って借金だらけ。

しかも自分が生んだ若様には抱くことも会うこともできないのだった。

これは悲劇てきである。     そうして、お金に困った親に親に売春宿に売られてしまうのだった。

悲しく哀れで、女の地位の弱さが迫ってくる。女は体を売って生き延びれば良い。それが女が持てる答である。嫁さんに行くのだって同じようなもんだ。男のわがままに翻弄され耐え続けていくのがしあわせってもんだ。やっぱり何にも変わっていないのじゃないか。そんな気がするのだ。

愛し愛されるなんて、夢のようなお伽話なのですね。ホント。

 

 

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陽光桜 2015年 高橋玄 監督

先に本を読んだ。ビデオがレンタルになるまで一年かかった。

原作の通りでよかった。あまり大袈裟に表現するわけでもなく、ノンフィクションぽく進んでいく。

陽光桜は、濃いピンクでとても花付きがよく、みばえのよいさくらである。でもなんとなく、日本人が好む儚さがないために味わいがない。

この桜を作った高岡正明 の人となりも変わっているし、それを支える奥さんも彼の純真な心がけを

大切にするのだった。

「宇宙人」家族たちはそう呼んでいた。

桜の研究のために私財を投じていつも借金までしてしまうのだった。それをちっとも苦にもせず、その尻拭いは皆、家族、特に長男が工面し続けた。

父の無邪気な借金は彼を散々苦しめつづけるのだった。

この事は、ちょっとひどいと思った。パチンコや道楽に使うお金と同じだと思ってしまうスッポコだった。そばで暮らす家族の苦しみと失望はいかばかりかと同情を禁じ得ないのだった。

家族の苦しみを代償として桜は咲いた。美しい桜。

そのようにしてまで高岡は桜を、美しい桜を作り出そうと何十年も苦心して研究にとりくんだ。

大学の先生の協力もあって、難しい道が拓けるきっかけをつかんだ。

彼は大学だろうが、総理大臣だろうが、大統領だろうが相手構わず電話したり電報をだしたりしていた。そして桜の苗木を無償で送り続け、そのかわり世界平和の願いをそれに添えておいたのだった。

戦時中に学校の先生をしていて、生徒を戦争に送り殺してしまった。あの桜の下でもう一度会おうと誓った誓いはなんだっったのか?

高岡はその事が忘れられないのだった。戦後に生まれた我々にとって戦争の恐ろしさなどわからないのである。

スッポコも自分の畑に陽光を植えた。何も知らず、いい名前だなあと思い買ったのだ。大木になるのはいつのことかしら。

ほんのひと時人々を喜ばせる桜。日本人はやっぱり桜🌸がなくては生きてゆけないのかもしれない。

美しさが心の奥まで浸透し、残っているのだろう。

この陽光桜は、暖地でも良く花をつけるので、今後温暖化の進む中、期待される品種である。

三、四年で、美しい花がびっしり咲き濃い桃色である。

ただ、ソメイヨシノより少し早めであり、一般の桜見の時期とはズレがある。

 

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