この念力少女えりーの題名だが、なんとなく吹き出しそうな昔の少女漫画に出てくるサイコホラーの題名のようであるが、この映画はなかなかの出来なのである。趣味を越えているそんな芸術的に作られた物だ。
この少女は危険児童として軍の機関に収容されて、身体は動かせない様に拘束されていた。恐ろしい力を使う少女として、危険視されていたからだ。
大体の線で死刑が決まっていた。この9歳の児童の症状はどう言ったものなのかどんな謎を持っているのか、それを心理学者の男が丁寧にひもといていく。それはハラハラドキドキであり、学者にも危険が及ぶと言うような恐ろしい実験でもあった。事実、彼女との会話の途中で、大きな机が飛んできて、心理学者、つまり精神医は吹き飛ばされ、気を失う。
この映画は特に映像が美しい。とてもシンプルであっさりしているが、見るものの心に強く訴えるものがあるような撮りかたがしてある。特に少女の顔のたくさんのソバカス。これを見ているだけでも面白い。誰がこれを考えたのだろう。そのソバカスは、まるで、チョウの鱗粉の如く顔全体に広がっていて、この子が並外れた特殊な子であることを訴えているかのようだった。この子は超能力の持ち主なのかそれとも邪悪な悪魔のような力を駆使する恐ろしい子なのか、なかなかわかりにくいところである。1人の精神学者が選ばれて、この子と対峙する。面会形式である。少しずつ話しているうちに、少女の本当の心の中身が明らかになってゆく。
精神科医の男は、いわゆる命をかけて、このこと対話し、自分自身をむき出しにして、この自分を見せ、その子にも自分を出すようにと促したのだ。この映画、少女の高い知性とは裏腹にどこか子供らしい人間らしい心が見えてくる。、自信と知性に裏打ちされた少女の言葉を聞いていると、この子はほんとに9歳だろうかと思ってしまう。成熟した大人の学者の様な知性なのだ。ああ、もっと話していたい、心地よい知的な話。この少女の大人のような口ぶりはどの様に撮影したのかと考えてしまう程だ。ワンカットワンカットを慎重にとったに違いない。
命を捧げて自分を曝け出した精神科医のおかげで、この特殊な少女は心をようやく開いて行ったのだった。
不思議でもあるし、美しい映像でもあるし、良く考えられた美学の賜物であろう。久々に見た映画であった。
