スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

大器晩成列伝  真山智幸著  2025年  

まだ新しい本だ。この本に載っている遅咲きの有名人は、ざっとみても19人ほどだ。日本人も数人入っている。芸術家と、研究者などだ。

私自身知らない人々も多い。ロシアの労働文学作家ブコウスキーなんて、知らない作家である。また日本人なら画家で芸術家の小泉淳作なんて人は知らなかった。いずれも独特の芸術を推し進めていった人である。独特すぎる作品は個性も強く、良いとか悪いとかの範囲外にある様に思う。その人の生き様や、魂が込められた様な作品は良いも悪いもないのだ。

一番先に読んだのは、赤塚不二夫である。天才バカボンの生みの親、秘密のアッコっちゃん、またおそ松くんなどで子供の頃は育った世代の私は、彼の伝記も読んだことがある。家族的に食い違った不幸な時代もあって、そういう中で自分で這い上がってゆく赤塚の人生は悲喜交々であった。彼は自分に面白いアイデアを生むべくシビアに徹して頑張っていたこともわかった。

 

次に読んだのは料理家のジュリア チャイルドという女性である。このような人がいることさえ、全く知らなかった。

アメリカにフランス料理を持ち込んだ人である。結婚後に、夫の仕事に連れられてフランスに渡った。そこで、コルドンブルーという有名な料理学校に通うことになり、毎日をただただ必死に楽しく過ごしたという。目新しいフランス料理の広さや奥深さに目が覚めたという。

そういう料理の経験をレシピとともに1人でかきつづけてきたという。家の家事もそこそこに、彼女は料理のレシピの執筆に明け暮れていた。

夫の理解も深かったのか。家が片付いていない事にも気が付かず過ごしていたという。アメリカのテレビでオムレツを焼いたことから、彼女はブレイクしていった。フランス風オムレツでも焼いたのでしょうか。出版社から無視された本の出版も進んでゆき、アメリカでもちょも有名な料理家として活躍した。映画もあってドキュメントのように本人らが出演している。

 

もちろん、アインシュタインのことも載っている。この様に夢を諦めなかった人々は、不可能を可能にする不思議なスイッチを持っているのだろう。

だが今の世にはそんな芸術やら研究やらが、世界に轟くというような呑気な時代ではもはやないと思われる。自由精神の中に生まれるこの様な発想、研究は、現在縮んでshrink状態なのではないだろうか。小賢しい小手先の発明とかはあるにしてもそれが人々に何かもたらすとも思えない。かえって不幸の種を撒く如くである。今では文明はほぼ満タンに満ちているので、人々は、多分既に自由と引き換えに動物園の檻の中で暮らす動物のようにこの様な無様な生き方を選んで来た、選択してきたというツケを払って行かねばならないであろう。農地はカチカチに乾きひび割れ自由を失った人々がゾンビの様に歩き回る、そんな世界がやって来そうである。