みなさん多分ご存知のアドラーという精神医学者.覚えやすい名前でもあるし、フロイトに支持していたのであるが、現実に役立つ個人心理学を確立。この本は2016年に方丈社より本の形となって出版され、今までの朧げなアドラーの本とはは明らかに一線を画しており有効なものとなっている。つまみ食い的にアドラーを読んでも、彼の真意は分からないので、大したことのない頼りない心理学者だとずっと思っていた.アドラーは個人心理学というものを確立して絶望している若い人々を実践的に救い出すメソッドを提唱した。
人は幼い3歳4歳頃の世界観が基礎になりそれはほぼ一生変化することなく続くと言う.例えば宗教の教えをいっ時でも知った人には、その宗派を容易に変えることは出来ないという。大人になってキリスト教を信奉しているつもりでも、子供の頃仏壇を拝んだりする家庭に育つと、仏教に帰ってしまうという。幼い時にコーランを覚えた子供は大きくなって宗旨替えはもうしないものだと。そういうことだそうだ。まあ、現実的にはそうだと思う.誰でも原初の幼児期へと帰って往く。
兄弟間の軋轢にも、アドラーは答えている.第一子、二子、と続く中にはそれぞれの戦いがあり、誰が王冠を取るかというバトルが続くのである.一番末っ子は気が楽で、自分の進みたい方へと進む自由を持っているらしい。芸術系とか、そういう例もある。
大切なことは、社会で生きて行ける様にする事。甘やかされた子供達は準備もなく学校や社会に出ると、ぺっちゃんこになってしまうことが多い。そうなると劣等感の虜となったまま反社会的な行動に偏ってゆくのは危険である。甘やかされて誰かが尻拭いしてくれると思い込んでいる子供には、自立心がないため学校を辞めたり、家出したり、仕事を転々と変えるなどとの特徴のある行動を引き起こすようになるだろう。
こういうことにならぬ様に、子供達が自立性を持ったライフスタイルを、健全になる様に整えるトレーニング必要である。 これは個人的経験だがーー
自立的というのは個人の心にあっても、とても大切なことで自分を守る砦でもあろう.これが崩れていては自分で自分を見る事ができない。サティスファクションが得られないため のたうち回ることになる。劣等感を深くしてゆき共同生活である社会から離脱する行為に向かって走り出す。アイデンティティがゆゆしく弱いと社会生活は続けて行けないものだ。そういう個人を野放しにしておくと社会生活が送れなくなりひどく苦しむこととなるだろう。ーー
というか、幸せを感じることもできない.不完全な自己に苦しみ続けるのだ。それは傷んだ果物の様なもので、
腐食はおおきくなるばかりなのだ
甘やかしてばかりでは結局子供らは社会に出てからは通用せず誰も守ってはくれず大人にはなり得ずに絶望的な自分をみいだすだろう。 劣等感を埋めるための行動は彼らの心に強く食い込んでおり、激しい情熱に燃え立っている。一日中手を洗い、自分ほど清潔な者はいないと自負しており、それが優越感として生きる拠り所となっているという.彼らの靴や服はけっこう汚れている事が多いが、全くお構いなく劣等感を埋めるこの手洗いで優越感に浸っている。というものだという.なるほど筋立っているわいと、アドラーの推察に驚いた。
もう全て私のことを言い当てていると思って間違いない.こんな本ってありですか!? 生きるためのエトセトラが散りばめられた一冊の本。くどくどせずスッキリとしている作りの本だ。
