テレビのニュースキャスターの人気者の長澤まさみこと、エナは、毎日モテモテで楽しくニュースを伝えていたが、ある日、冤罪に苦しむ中年男のことで、彼女の人生がひっくり返る様な経験をすることになる。
問題は深刻で、この男は無罪で有るのだが、警察の取り調べで自分がやりましたと、自白したというのであった。結果この男は死刑の判決を受けたのである.本当では無罪の男は監獄の中で毎日この死刑を待ちながら生きていた。
この事件に、不思議な疑問をもって真相を探すために行動するが、この事件はどんどん手のつけられない恐ろしい謎へと進んでゆく。
相棒には同じテレビ局の若い男の眞栄田郷敦だ.二人で血眼になって真相を掴むために危険な捜査を始めて行く。ある政治家が警察に圧力をかけて、真相を潰したことを突き止めたが、これはある意味とても危険なことでもあった。一体全体、女性のニュースキャスターに何ができるのか.周囲が心配する中、彼女は、とうとう本当の犯人は誰かということを、テレビの前で、真っ直ぐに喋り始める。
それは実は庶民達も真実を求めていたのでこのニュースは大きな話題となり、視聴率は爆上がりになった。
恋人の鈴木亮平は、このニュースをやめさせようと甘い言葉で彼女を誘惑するのだった.が、彼女の向かうところは,たった一人の無力な男性の冤罪を晴らすことであった。いい加減な男の戯言などもはや無用なものであった。社会のためとか、政治のためとか、テレビ局のためとか、君の命が危ないとか、大きな権力と戦う彼女に説得を試みたが、彼女の決心はすでに動かなかった。
彼女には本当の意味で、危ない悪の力が近づいていてのだったが。
これは政治的権力との戦いと言っても良い様な大きな事件であり、真実を曲げられた人間の怒りや苦しみがどういうものかを掘り進めた作品でもある。一人の男の命が消されようとする寸前であった。男はなるほど、権力もなく無名であり、彼の生死で世間が変わることもないのだろうが。そんな名もない彼のために仕事もキャリアも投げ捨てる覚悟で望んだ一人の女性の強い決意は、ニュースキャスターという、真実を伝えるべくの仕事の潜在的意識から生まれたものかもしれないと思った。嘘のニュースをベラベラ喋るのがいいニュース番組ではあるまい。テレビ局、警察、政治家、そして自分の元恋人からまで不自然極まりない圧力をかけられて潰されそうになりながらも真実を死守しようとした彼女は本当にすごい。もちろんドラマだが。
このドラマに私自身とても衝撃を受けたというか、こんなドラマは初めてだなという気がした。
恐ろしいほど現実味のあるドラマで自分の周りでおこっている本物の事件の様な気さえした。
この「エルピス」という言葉は、パンドラの箱の神話に出てくるものであり、開けてはいけないと言われた箱の蓋を開けてしまったために無数の災いが箱から飛び立ったが、最後に箱に残ったのは、「エルピス」という希望という名の精霊であった、という話から取られたものらしい。
皆がこのドラマをどんなふうに感じてるのか知りたいとも思っているこの頃である。


