やはり、この人、亡くなっていたのか、不思議な感である.冥界と行き来しているかのような名作をたくさん描いた彼であった。彼がいなくなったと言うことは、人間誰でも死ぬんだなと言う思いがしたんだ。
彼は、真面目なのかふざけているのか、どちらとも取れる彼の飄々としスタイルはとても独特であった.誰も真似のできないものというべきだ。それにあの才能だから、
赤ん坊少女と言うちょっと長編の漫画は、家庭内のおどろおどろしい話.蛇女と言うのもあったが、具体的にヘビが大活躍して主人公の少女を怖がらせていく話。
私が好んで読んだのは、オロチであった。とても綺麗な少女が静々と歩いてくる。黒い洋服に長い髪、黒い瞳の出立ちで.「私はオロチ」としゃべる。子供の頃から地方伝説のヤマタノオロチの話をよく聞かされていたので,その効果もあった。この少女は 何百年もの眠りからさめたのだと言っている.だからどんな嘘もお見通しなのであった.面白かったなあ!
その他は漂流教室は、てもファンタジックで、なかなか素敵な漫画であった。とても読みたくて、本屋や、貸本屋を漁って探した覚えがある。
まことちゃんにもハマっていたようだが、何故かあまり記憶に無い.ヘビ女にしてもどことなく古風なタッチで、古い日本家屋の木や土壁の匂いがする様な画筆であるが、まわりの批判などものともせずに、突き進む彼の信念には すさまじいものがある。考え方は現代的で絵はちょっと古風と言うあたりも魅力の一つか。
面白いから、楽しいから、好きだからと思っていなければ、こんなのは続かないものだろう。
彼が亡くなったとは、どうしても思えない。彼が、なんであったのか、誰だったのかと再考していく必要を何となく感じたことである。