黒柳本人をゲストに迎え、幼い頃通った トモエ学園についての番組ーある音楽教師がヨーロッパから帰って立ち上げた自由学校であった。リトミックダンスという自己実現的な自由ダンスを含めて、自分の好きなことを伸ばそうとした取り組みは、戦時下であり、とても困難なことであっただろう。教育勅語などというものが大手を振っている頃に、子供主体の自由学校なんて、まさかであったのだ。
そこは自由が丘駅の近くにあったらしい。戦争の爆弾で焼けてしまったが、現在は自由が駅には記念碑がたたづんでいる。
小林校長はトットちゃんの本で読んだよりも賢そうで気骨があり、ピアノが音大卒なのでとてもうまかったという。日本芸大で腕を磨き、先生になってから、ヨーロッパに渡った時、新渡戸稲造(旧五千円札)
に出会い、パリのリトミックをやっている学校を紹介されたのだった。なんという運命の出会いであったのだろう。強制されず自己表現をする生徒たちがいる学校でフランス語もできぬ小林は1年間過ごし、日本へ帰ってきた。電車を利用した教室で学ぶトットちゃんやら、その他のお友達。何かしら障害がある子が多かった。
運動ができないその子は普通学校が否として掃き出した子であったが、本当はとても頭が良く、校長が実験道具を与えると、嬉々として実験をやって過ごした。彼は頭が他の子よりも大きく重そうでもあった。
運動は出来なかったが、勉強は得意であったー彼はアメリカにわたり、大学で物理学者になった。そのほか詳しくはとっとちゃん続編にあらわされている。みんな本当のことなので、トットちゃんは大袈裟に盛ったりはしていない。盛る必要などないのだから。
小林校長の手腕はにんげん愛の信念に貫かれており、世間ではダメな子供たちが生き生きと自分をとりもどしてゆくというー彼は本当にピアノが上手かったので直に教わったトットちゃんらはとてもラッキーで、恵まれていたとしか言いようがない。現在では彼のようにピアノを奏でられる先生は多分もういないだろう。
その後トットちゃんこと黒柳の活躍は多岐にわたり、まるで小林校長の信念を継いでいるように感じるものが多い。
金儲けのための活動というのとはどこか違う彼女の行動はじんわりと染み込んでくる春の雨の様な感じがするのだ。


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