母が亡くなってもう、2年経ったんだね。それは3回忌の法要と言うものじゃね。これがまた、草刈り、花を買ったりと、忙しくやったんすよ。墓石も磨いて、ちょっとだけ綺麗にしてな。
花も奮発してたくさん買いました。普段は買わんからねえ、花なんか。菊に、リンドウに、トルコキキョウにと。百合が売ってなかったわ、残念。
家の仏壇で拝んで、寺の本堂で拝むんや。結構大きな寺で、末寺をたくさん持っている。
天井から、金色の飾りがキラキラ釣ってあって美しい。
ああ、おばあちゃんは、本当で死によったんじゃ。もう地上のどこにもおらんのじゃ。
どうしたらいいいんだろう。空気中にもおらんのじゃから。探したって、呼んだって、返事もせんで。
もうおばあちゃんは、この世の者では無くなって、天国に行って、仏様の弟子になって、修業に励んでいるんじゃな。
憎い、コワイ、許せない、妬ましい、うとましい、怒り、復讐、無知、欲、そう言うこの世の苦しみは皆拭われて清らかに過ごしてるんじゃろうね。よかったわ。
この私と大違いじゃなあ!あれだけ、母を憎んだのにー許せなかったのに。
彼女は全てを許してくれたのだーこの私が苦しめて悪さをしたことを…。
死んだって、憎しみしか残らんかったーでも、初めて、ほんとうの母に会ったような気がした。日曜日はいつも洗濯をゴシゴシしていたっけな。
清らかでほがらかで、働きもんだったよ。 まあ、精一杯のお世辞やで。
仕事や、コロナで誰も帰らへんかったので、主人と私と、息子の3人。
会食もなしで、ケーキセットを頼んで終わり。
私らが、普段から外食にお金使ってたんで、この日は特にケチって、盛り皿も何もとらんかった。
娘が、狙ったように次の日帰って来て、騒がしくなり、主人は、急に県外に遊びに行ってしもうた。
皆、散り散りバラバラや。ひどい家族だと思うわ。