1963ねんにノーベル賞をもらったゴールディングの代表作、「蝿の王」この変わった題名は記憶に残る。映画化もされてきたイギリスの有名な小説である。この映もう30ねん前ってことは、ちょい過去ですね
あったかいバナナの実る無人島に遭難した少年達20人ほど。食料は、寝床は、水は、火は?
コレからいつまでサバイバルできるのか不安がいっぱいだ。青々としたジャングルは美しいが、野生そのものである。
子供たちは、彼らは皆12才以下に見えたー小学校低学年の男の子も数人いる。
サバイバルの戦いが始まり、奪ったり盗んだりで、憎しみが増大し、最後は殺し合いが起こる。
殺人は重大だが、実際に子供が子供を殺すという恐ろしい事件がついに起こってしまう。野生のジャングルで暮らすうちに、だんだんと人間社会の常識やルールは忘れられてゆく。
殺人事件は、ますます精神をエスカレートさせ燃え盛る炎のように少年らを変えてゆく。
ジャングルに火をつけて、反対陣営のキャプテンを炙り出し殺そうと、皆が尖った棒を手に持ち戦闘ムードになるー追いかけて追いかけて、とうとう海辺まで追い込んだ。
だがその時、大きな軍人の靴が彼らを阻んだ。救助隊が島に上がって少年らの捜索が始まるその瞬間であった。軍用ヘリコプターも飛んできた。人殺しのしょうねん軍団はヘナヘナと腰が抜ける。
キャプテンは大きな軍靴にすがりそうにして、映画は終わる。
蠅の羽音のように、もっと複雑な際どい作品かと思っていたが、結構普通な子供らの話だった。。でも普通だからこそ怖いかもと思うのです。蠅の王は誰の心にもいるような気がして来るからです。無邪気な子供を通して、大人なら尚更大きなハエが住んでいるとジワジワとくる作品かと思いました。
蠅の王の本も持っているのだが、チラリとしか開いたことはなかった。
ノルマンディー上陸作戦にも参戦していたゴールディング本人にとって戦争の醜さなど当たり前であったろう。
蠅の王のベルゼブブ、ベルゼバブ、ともいう、は昔から悪魔の化身として文学上に現れてきた言葉である。