悲しくて心が曇っている日、こんなコメディーは、心を明るくしてくれる。一時的にも。
あほくさい映画でも、見ていれば、気が晴れるよ。
この変な題名、蟹さんの白い泡のことでしょうね。よくもまあ。
アマンダは美人さんだがお客の来ない小さなレストランでモッチラオッチラしていた。色々手を尽くしても客は来ないし、もうこの店閉めようと決心するのだった。せっかく母が残してくれた店であったが。朝の市場に出かけていくと、おじさんが蟹を売っていて、蟹料理なんてやったこともないし帰ろうとしたら、このカニ買いなさいとしつこくて買わされる。このカニさんが実は魔法を使ってアマンダを幸せにするのだった。
カニ料理をレストランで出すと、大人気に。ある大手デパートの大食堂でシェフを探していたが、そこに突然大抜擢だ。大出世に自分でも驚くアマンダ。
大金をかけた豪華なレストランのメニューはおしゃれで高級な料理ばかりであった。
アマンダは、ここでも腕を発揮して10人ものスタッフシェフとともに立派な料理を提供した。
セレブなお客たちの反応は、どうかと不安に思ったアマンダ。覗いてみると、まだオードブルなのに、皆が涙を流しお互いに抱き合ったりして喜んでいたのだ。次々と出されるコース料理。
メインディッシュになると、しーんと静まりかえり、皆が、恍惚のままぼーっとして動かないのだった。
こんな経験は初めてだ。ストレスフルの堅物のデパートの社長も、心がほぐれて嬉し涙に暮れていた。
最後のデザートは、りんごのバニラクリーム。丸リンゴの中に白いバニラクリームがトロリと入った絶品だった。
これを食べた者達は、皆愛にめざめた。バニラ色の煙(バニラフォグ)が出てきて恍惚へと運ぶ仕掛けだった。
幸せになるレシピは素敵だー幸せになる料理もすごい。
ま、こんなチャチなストーリーだが、ちょっとお金もかかっている。セットにも、食材にも、皿にもね。センスの良さが、垣間見えるニューヨークの映画。
なんでもよかった、いまの心にかかる重い雲を取り除いてくれる話であれば。
irrestable 堪らなく引き付けられること、素敵なこと。admirable。