スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

BS T V 池内博之の漂流アドベンチャー4 漂流484日船頭重吉の究極サバイバル

2019年4月19日の放送:

尾張藩の千石船の船長は小栗重吉という男。遠州灘で遭難してから、484日の世界一長い漂流を経てカルフォルニア沖でやっとイギリス商戦フォレスター号に救助される。江戸まで米などを運ぶ予定が、見知らぬ海のアメリカのそばまで行ってしまっていた。ところで、重吉役を、池内が演じている。

そこまで来るにしてもどれだけの苦しみを、あじわったことだろう。見えるのは毎日海また海だけである。

生きるべきか死ぬべきかという選択に常に晒されてきたのだ。もちろん自殺者も出るし、精神を病む者も多かった。

神に祈る重吉。この時代(江戸文化時代)では、航海中の災難にあったら,神に祈ることが最も重要だとされていたのだった。

ここも注目すべきところだと私はしきりに感心した。

船員たちと船荷の米、大豆で食いつないだ。千石船の強みであった。

重吉は、神が夢の中で水の作り方を示して下さったと発表して、海水を蒸留して水を得た。

だが壊血病で、残りの船員も死に、自殺者も出る。雨も降らず、魚も釣れぬ日が続く。生き残りは重吉も含めて3人のみとなった。

 

最後の最後に、重吉はくじの占いでご神意を聴くことにする。二の文字が出たら生きる。奇数であったら、死のうと決心する。くじは二の偶数が出る。これは生きるという意味だ。神の意思だった。

ここまで苦しんで、神も嘘は言わないはずだと、彼は確信していたのではないだろうか。

それからは、ずっと地平線を見つめ続けた。カルフォルニア沖で大きな帆をあげたイギリス船に救われて、そこからまた、ロシアのカムチャッカに運ばれた。ロシアでまた一年過ごして、やっと北海道の日本の領地へと帰ってきた。

こんな立派な人間が、日本にいたなんて!ね。

 

小栗重吉は知恵も、勇気も、体力もある船頭であった。途中で、投げ出していたら、日本には帰れなかっただろう。海の藻屑となりはていただろう。

ありとあらゆる手を尽くして、決して諦めようとしない強靭な精神の持ち主の重吉に、習うとことは大きいと思う。

いまヘナヘナの日本、自分の利益ばかり追いかけて根の腐ってしまった日本って感じがする。いや身近な人々の、私も含めて、すぐ人に頼って、自分で物事を考えない人ばかりだよ。なんでこうなっちゃったのかね?

 

日本に帰ってから、船頭日記という本を出している。彼は、船上でも日記を止めることなく、つけ続けていたのである。

 

漂い果てつ―小栗重吉漂流譚

漂い果てつ―小栗重吉漂流譚