スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

審判  弁護士・工場主・画家の巻   カフカ作

いつまでたっても訴訟ははっきりしなかった。毎日考え詰めたために少し弱っていた。どうすればこの問題が片付くのであろうか。

そんなことばかり考えているので銀行の仕事が少し負担になってきた。問題を片付けるためには仕事を休まねばならない、そう思う彼であった。ところがKにはライバルがいて彼が休んでいる間に仕事を出し抜かれるのではないかと言う不安があった。支店長には好かれていた彼であるがこのライバルの支店長代理と言う男のことはなんとなく信頼できないのであった。

弁護士にも時々会いに行かねばならなかった。けれども弁護士は裁判官と仲良くなる方法とかそのようなことばかり言っていて拉致もあかなかった。仕事が捗らず、ついつい残業も増えている。そんなある日、銀行に工場主が訪ねてきた。工場主は仕事のことで彼に相談があると言う。そして彼が訴訟になっていることをどういうわけか知っているのだった。問い詰めてみると何とかと言う画家と知り合いで、その画家が裁判所や裁判官のことに詳しくて、彼から、 Kのことを聞いたのである。Kは早速画家、ところへ訪ねて行った。行かねばならなかった。

画家の家は階段をどんどん上がって、またまた上がってクネクネとしたてっぺんのあたりにあった。中に入ってみると広いような狭いような部屋でありそこにはキャンバスなどがあった。彼が最も得意としているのは実は肖像画であり、つまり裁判官の肖像画を描いているということだった。これは画家の父親の代からの仕事であり裁判所に子供の頃からいつも出入りしていて、裁判所の実情に精通しているとのことであった。現在は、裁判所の画家の仕事をしているのであった。

画家が言うには、無罪になると言うことは永遠にない。と言うことであった。無罪となっても、再度上の位の裁判官から控訴されるの繰り返しとなるとそれ故に、数十年という月日を費やす被告が多いと言うことであった。

彼から聞いた話によると裁判官と仲良くなったり、と言うのはなかなか簡単なようで、素人には出来ぬことであるからと画家は言った。

 

これでは、何もかも、全て無駄なことであろう。

上の組織のことが、何でKなど一般市民にわかろうか?官僚社会を指差しているのであれば、何という割り切れぬ不気味さであろうか。

 

変なところからドアを開けて、出てみると、何と渡り廊下があり、その向こうには、忌々しい裁判所の見覚えある事務所があったのだった。驚きを、隠しながら、それでも画家の機嫌を取るために、ヘボな絵画を三枚も買って、コソコソと、銀行に帰って行ったKである。

 

次回は、数十年にわたって裁判にかかわっているある商人の話である。

では、また。