めっちゃ面白くて、ドキドキして見ていた。小松のことは知らなんだが、菅田のことは流石に知っていたからね。
浮雲町なんて架空すぎる海辺の町、というか、島?とにかく海があるんだな。そこで漁師の人が多い町で。もうこのワイルドな漁村という場所設定が、効果に、良い薬味になっているのはすごい。
中学で、ただ一人金髪に染めた航一郎、呼んで、コウという少年と、菜々、呼んで、ナツメが、恋仲になる。
コウは、この町の総領の息子で土地も海も山も皆この家のものであった。
独特の雰囲気を放つコウに、菜々はいつしか、メロメロになる。入ってはいけない禁止地区の浜辺に、神社があって、二人はそこで出会う。ヘロヘロに痩せている菅田将暉のカッターシャツ映像が、我が青春と重なること請け合いだ。
いけないいけない、こんな若造に夢中になっては…、と自分を叱咤すること請け合いだ。
ナツメは、東京ではちょっと名の知れた雑誌のモデルなどしていた。田舎に転校してきても注目されて騒がれた。ある日ナツメの写真集が出ることになる。
ナツメはコウにそれを1番に見せた。写真集は都会でもよく売れ、コウは言った、お前はきれいじゃけんのう、
俺だけのものにしたかった、と。海も、山も、お前も全部俺のもんじゃからのう。すごい自信!
火祭りの日、
ナツメは、ストーカーに襲われるという事件が起こり、レイプされたという噂が、勝手に流れた。
それを防げなかったコウは、自己嫌悪で苦しんだ。
二人の関係は、ここでいったん切れた。
高校生になると、コウは、不良の仲間と悪ふざけばかりして、悪い噂ばかり立った。
まるでナツメのことを忘れようと自分を追い込んでいるかのようだった。
彼は思っていた。彼女をこの街に引き止めてはいけない。彼女は、羽ばたけるおんなだ、と。
ナツメには、映画の話がオファーされていた。この町で、コウとずっと一緒にいたいナツメ。
二人は、偶然に神社の森で出会う。 そして、男女の仲になる。
ずっとずっと、コウちゃんと一緒にいたいよ、というナツメ。
お前は綺麗じゃけ、お前の才能を伸ばせ、と言い放ち、自分はこの島に残るという。
再び、火祭りの日、過去のストーカーがやって来て、再び、ナツメに襲いかかった。
揉み合う、コウと、ストーカーの男。
男は突然に、ナイフで自分を刺して死んでしまう。
コウは火祭りで、呪いの儀式をして、ナツメを護ったのだった。
2人のキズナは、この町の神が結びつけたものだったようだ。
迷信深い?イヤイヤ、時には、迷信も人間には必要よ。
人を信じる気持ちが、信仰というんじゃないの?、?。
東京でナツメは映画で、賞を取る。
コウは海の町で、総領になる。という話。