90歳の時の作品。遺作となった。90歳という「老年」を売り物にして主演した。結構カッコ良い男である。
プロポーズされたらほいほい結婚したかもぐらいです。
自然体で生きていて、ほぼそのままではないだろうか。ほぼ演技をせずに、このチャーミングさだ。
きっと誰かさんが、このチャーミングさにめをつけて、惚れ込んで、映画にしようと企てた。
ハリーは、本当に海軍で、コックをしていたらしい。
映画の中で、そう言っている場面があったが、、リアルな顔だったので、奇妙に思えた。まったく演技から外れていたからだ。料理の仕事は下っ端の仕事だからなあ。仕方ないよなあ。
あ、それから、流れる歌が、いまいちでダメだと思ったよ。誰だ、下手くそな歌だなあ。
行きつけのバーと、行きつけのカフェが、彼の過ごす場所だ。皆が親切で、気さくであり家族のようだった。皆が、ハリーをさりげなく見守っていたのだ。
彼はある日倒れてから、死を強く意識するようになる。時々とても不安になるのだった。一人で、夜目覚める時など、特にね。
結婚もない、子供もいない、そんな気楽な一人暮らしは、もう何十年も続いている。ペットショップで買った、こおろぎだけが、
友だち。
彼は、死を恐れてもどうしようもないと思ってか、またポツリポツリと歩いている。 終わり。