池内は、ドイツ文学の一人者として、世間にゲーテのことを、お知らせしようと努めたらしい。
だからこの様な、わかりやすいハードカバーの本を出したのであろう。
まるで少年少女のアンデルセン童話を読む様に読めるのである。スッポコは、ゲーテ全集のファウストも持っているし、文庫本の2冊も、せっせと買い揃えて読むぞー!と意気込んでいたのだが、結局
挫折をしてしまった。
ああ、「この名作を読まずして、人生を終わるのかあ…!」 こんなことを考えていた。
ゲーテ格言集の終わりに、池内の本の宣伝が載っていた。これはいいかもと閃いて、買ってみた。
そりゃあちょっと物足りない気もするが、どうであろうか、何かがゴッソリ抜け落ちたゲーテであった。
それでも、池内を信じて、あらすじを辿り、ゲーテのエキスを一滴でも飲もうともだえた。
あっという間に読み終えて、あっけないことこの上ない。だが、緻密な文章を読めないワテなので、しょうがないではないか。
あきらめも必要よ。
マルゲリータと言う信心深い娘に恋をして、お互いに、好き好きになるが、妊娠してしまい、
町中の噂になる。軍人の兄が帰ってきたが、ファウストに殺される。母親も倒れて死ぬ。
ファウストと、メフィストは、その場から離れて、逃げてしまう。
牢獄に入れられたマルガリータ。グレートヒェンともいう。
ファウストとの子供は、取り上げられ、行方知れずであり、監獄に閉じ込められたままの彼女であった。
不幸のどん底にある彼女はすでに、哀れな狂人の様になっていた。
彼女には死刑の場が、待っているのみであった!
そこで、第1部は、終わる。