著者の名前と生き方のせいで、上場できないドリアンが気の毒でもあるが、本人は多分この気楽さが好きなのかもしれない。
ガチガチの老子より、スッキリと読めるように訳してあるような気がする。
老子は、紀元前600年ほど前の人で、中国が、下克上の争いが続く春秋時代に生まれている。
争い、戦争を、目の当たりにしてきたので、戦争についてもよく言及している。
大きく硬く重い兵器は、恐ろしいものだとか、戦争ばかりしていると土地は軍隊に踏みしめられ硬くなり、イバラが覆うようになり、作物が無くなる、とか言っている。
どこかの国にも耳がいたい言葉である。
私が、気に留めた言葉は、
戦争の激しい前線に行った兵士たちが、10人いたとすると、生き残るものが3人いる。また、3人は戦って死ぬ。また当然生き残るはずの3人も、死んでしまうという。
何故なら、生きたいと強く思い過ぎたため、余計な動きをしてしまい、敵やられてしまうからである。
このように余計なことをすることはよくないと説いている。
天下の王の生き方、国の納め方についても、民衆を自由にしてやり、あれこれ法律で縛らず、
決め事をしたりなにかをしようとしないことだ、といっている。
何もしないことがいいのだと、極論である。
王がバカで、のんびりしていれば、民衆は、自由闊達に楽しく生活ができると。
民衆を苦しめたりする王様は、よくない。
こせこせとした法律に縛られるのは、確かに馬鹿らしい。
礼節だのは、うわべの心からでているので、きっと争いのもとになる。
これもうがっていて、ズバリいいあてているとおもう。権力に揉み手で寄っていく誰かさん達のことである。
現在では既に、大学教育と、政治と、お金との癒着が進み、公然と私物化されている事に、諦めを持ってながめるより手がないと思われる。これも、民衆の悲しみの一つである。これは、私の意見。
荒んだ世では、親孝行だの忠義だが強調され出すが、これはそれが失われた世の中になってしまっている証拠である。
爪先立っていては長く立ってはいられない、大股で急ぐものは遠くには行けない。
硬く大きな木は、切られてしまう。
ただ老子はいいことも悪いことも善の中にあるとして拒まない流儀であった。
たくさんあるが、例をあげて見た。
誰しもどれか当てはまるものがあると思う。
この昔に、老子は平和を唱え、弱いもの、柔らかいものが、強く、硬いものに勝るということを
言葉で訴えた天才哲学者か、賢人かというところである。

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