スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

創造の狂気 ウォルト・ ディズニー The triumph of the American imagination 2007年

ディズニーが生まれたのは、1901年という20世紀に入った時である。

とても厳しい父と、優しい母であった。家庭は、とても貧困であったが、父は必死で働いた。

ウォルトも、小さい頃から、アイスクリームを売ったり、新聞配達をしたりとお金になることなら

何でもするのだった。そのお金は、父に取り上げられてしまうのだった。

学校の勉強中も、ウトウトしたりで、パッとせず、ただ、いつもひたすら絵を書き続ける日々であった。ある日、リンカーンの変装がとても受けて、校長に褒められて、後々まで、校長は、彼を応援し続けた。リンカーンは、後に、万博のテーマとして、彼は、取り上げている。

 

画家になる夢は、父に猛反対された。だが、彼の絵が、町で売れるようになり、考えを少し変えたようだ。そして絵の学校に行っても良いことになった。

 

この本はいわゆる、ウォルト ディズニーの真面目な伝記であり、とてもよく調べられていると言っても良いだろう。  語り口調も冷静で好感が持てる。著者はニール  ゲイブラー(Neal  Gabler)である。

 

広告代理店から仕事をもらって、おぼつかない仕事を続けていた。社員がお金不足で辞めたりも何度かあり、無数の失敗もなんのその、彼には強い憧れと夢があり、それに向かって一直線に進むのみであった。

そのうち、結構有名になってきて、とうとうアニメという、動く漫画に夢中になって行った。

その頃は、まだアニメの技術もなく、見よう見まねで、開発に熱中し、ありとあらゆることをして、アニメを作ろうと思うウォルトであった。一度見た動く画面が、彼を虜にし、自分も、十分なものを作りたいと強く願うのだった。

 

 

とにかく頑固頭の厳しい父親で、ウォルトは、父から離れて自立することばかり考えていたのだった。

顔も、ウォルトは父に似ておらず結構な良い男であった。

ただ、女と手もつなげないような恐ろしく内気な男であった。

 

食うや食わずの中で、部屋を借りて、会社を作った。

そこで、友人らとアニメを作り、売り込んだ。

腹は減って 借金だらけ。それでも彼はいつも胸を張り生き生きと働くのだった。

 

ミッキー、三匹の子豚、ドナルドダック、シンデレラ、ピノキオ、、まあ、何と言っても白雪姫に至っては、世界を席巻して彼の名は広まったのだった。

登場人物や、小人の一人一人のキャラクター、人格をうまく作り生きているもののように作ったことが

功を奏したようだ。

 

クオリティーの高いものを常に求めて、費用のことは皆兄のロイに頼むのだった。

あまりに精巧に作ろうとしたために、とんでもない時間と費用がかさみ、〆切も迫る中スタッフたちは不眠不休で頑張り続けた。

どの企画も費用がかかり、会計の兄のロイは苦心惨憺であった。

 

まあ、どのアニメも全て良い出来であったので皆が胸をなでおろした。

 

さらにウォルトは、ディズニーランド建設に着手した。

どんな身分の人も、楽しめる別世界を目指したのだ。

そのために、小高い丘には塀をめぐらし、俗世界を遮断したのだ。

ミッキーの耳のような円形の建築、清潔、規律、調和、それが揃った楽しい場所にしたのだった。

印象的なのは、人を見下ろすような建物を彼は避けて、人の目線に沿った優しい建築、うえの階に行くほど丈が短くなっている建築だった。道の舗装などにもこだわった。巧妙に道の色を変えて、次のアトラクションに招くのだった。

 

スッポコは残念ながら、まだ行ったことはないし、行くこともないだろうが、映画enncharntedで

ロケしていたので、綺麗なところだなあと思った。

 

人を喜ばせる、楽しくさせる、ただそのことのためにウォルトは動き、働いたというわけだ。

 

メリーポピンズの時にもスッタフが楽しく働けているかと常にチェックをしたそうだ。

なぜならそれが良いものを作る原動力になるからだ。

 

メリーポピンズにはジュリーアンドリュースを起用し、よいものができた。

歌がこれまた素晴らしい。どれもこれも、歌が素晴らしい。子供の心を、もう一度思い出して欲しいと、いっているようだ。女性参政権運動家のおばさんの歌も滑稽だし、これは多分ポールマッカートニーの元歌詞の一部になっていると思った。Jetのsuffragetteである。

 

子どもの心を失っていないウォルトであり、鳩の歌の時は、涙を拭って歌を聞いたそうだ。

貧しいボロをまとったおばあさんが教会で鳩のパンくずを売る場面である。

 

万感胸に迫ったのかもしれない。ウォルトは、他にも時々涙を流すことがあったのだ。以外である。

 

この本は、厚くて3.7センチほどもあり、驚いたが、何故か、結構すらすら読めた。

ディズニーの熱い想いに背中を押された思いだった。

 

 

創造の狂気 ウォルト・ディズニー

創造の狂気 ウォルト・ディズニー