この頃は、バブルの後半の頃だろう。東京の地下鉄で切符切りをしている中年男の内田であった。
毎日ものすごいひと、ひと、ひと。人を見飽きた彼は神経がイカレつつあった。
彼には妻子もあり、金持ちではないにしても、まっとうな暮らしをしていたのだった。
昔は、切符切りのオフィサーが、改札口におりました。
ある日、チンピラに絡まれて、ひょんなことから、綺麗な女と知り合う。女は彼の前で、脱いで、全裸になって、誘うのだった。
その場所はなぜか、水のない広いプールであった。都会にはこのような場所もあるのかと、なぜか感心する田舎者のわたし。
これはかなりの本格的映画であった。
だがその女は誰なのか、最後までわからないこの私であった。
喫茶店のウェイトレスの家に、侵入して、クロロホルムで眠らせて、ことを運ぶのだった。
いや、すごい快感と達成感と征服感が押し寄せて、彼は勝利の絶頂にいる様な錯覚をおぼえる。
なので何度も足を運び、眠った女に色々なポーズをさせて楽しみ、写真まで撮っていた。
これでもかと言うほど美しい日本の女たちの裸である。
おんなは目が覚めても何が起こったのかさっぱりわからず、戸惑っていた。
しかし心の底では彼を待っていた。
男は、他の若い子にも手を出して、忍び込んでもてあそぶ。
女はよりどりみどりであった。このクロロホルムさえあれば!
眠った若い子を犯すのは、川端の「眠れる森の美女」と似ている。
不気味である。
最後は、クロロに自分が酔ってしまい、女の家で全裸で眠ってしまい見つかる。
警察に捕まったが、女は彼を好きになっていたので、無罪放免にして欲しいと言い出す始末。
モテる男は刑罰も軽くていいね。
「眠れる」でも、同じ手口であったのでは。それはさておき、
この映画は、実際の犯罪をもとにしているので、おぞましく、厳罰に処して欲しいところであるが、
フィクションなので、許されているのである。