有名人31人が、コーヒーについてのうんちくを話すエッセー集だ。
コーヒーは繊細で、かつ、ちから強い食品であるから、どんな人がどういう風に書いているのかも興味があった。ほとんどが作家や芸術関係者であった。名前を聞けば、ああ、聞いたことがあると言った面々だ。
ワテが、一番上手に書いてるなあ、と思ったのは、井上ひさし氏のものであった。
まず題名が、くっきりはっきりとしていた。「喫茶店学、キサテノロジー」とは、おもしろい題名だよね。「ブラウン監獄の四季」河出書房からの抜粋らしいで。
いくら頑張っても、美味しいコーヒーが作れない人。お豆さんや器具を幾度と買い替えたりと苦労をしておられる。
いやー以前のわてと同じだすね。
確かに、コーヒーはうまいが、店の雰囲気がいまいちとか、色々あるんだなあ。
どこの店のコーヒーもほぼ均一化された昨今を嘆く人物もいる。
ただこのエッセイは、故人が多くいて、コーヒー代が30円とか、いつの話なのかと首をかしげることが多い。しかし、そのコーヒーへの情熱は現代にも通じるだろう。
海外のコーヒー、珈琲店、カリブ海とかウィンナコーヒーとかが出てくるエッセーはわてはちょっと苦手だ。
くっきりとしたクリームの泡がコーヒーに乗ってくるウィンナーコーヒーを現場で飲むとどうなるか。
飲んだことのない味がするのかな。
わてはそんなものに憧れはないからパスだ。
やたらに横文字のコーヒーかぶれにも困ったものじゃね。