広瀬すずと山崎賢人共演といえば、みんなが見るだろう的、広き門より入ってしまった例である。
でもそれなりに出来上がっていた。広瀬のパツパツの演技と、山崎の受身的な無気力な演技で、安全圏内のドラマのような展開であった。
賢人は小さい頃からは母からピアノを習ったが特別厳しく教えらた。優勝しても、あんなへたくそな演奏をよくもしたな、と、ものすごく叱咤されるのだった。その後最年少で、いろいろなピアノコンテストで賞をもらってきた彼。天才ピアニストと言われた。
重い病で彼の母(壇れい)も、亡くなった。そのショックでか、演奏の途中で、いつも耳が聞こえなくなる症状が続いていて、ピアノを止めざるを得なかった。母は自分の命がもうすぐ切れることをわかっていてわざと厳しくして自分の全てを彼に伝えようと努力をしていたのだ。
彼の前に明るい広瀬が現れたのも運命的ということであろう。
彼女は卓越したバイオリニストであった。この展開もぶっ飛んで入る。
一緒にコンテストに出て、広瀬のバイオリンの伴奏を引き受けたが、途中でまた耳が聞こえなくなり、
広瀬はコンテストを落ちてしまう。
しかし、ガラコンというきねんぱーティーのようなコンサートに出れることになる。いつも不気味なほど前向きで全く気にかけず、開けっぴろげで明るすぎる広瀬。
二人は一緒に練習するうちに、お互いに好き合うようになる。
いよいよコンサートの日がきた。
ところが、広瀬が現れない。彼女は、倒れ、病院にいたのだ。
不治の病である。難しい手術を受けるかどうか病気と向き合っていた。
彼女のいない舞台で彼は必死にピアノを弾く。
その曲は、母が亡くなってから封印してきた愛の悲しみという曲であった。
この曲がよくわからないのだが、クライスラーの曲でだが、ラフマニノフ編曲だろうか?
すずは最後まで現れなかった。
その後、すずが重篤な病気だと知る賢人である。
夜の学校で崩れるようにむせび泣くすず。
それからどうなったのだろうか?
一次的に帰ってきたすずであったが、もはや帰らぬ旅に出るという意味であった。