片岡仁左衛門こと、片岡孝夫は病院を経営する若い院長である。あちこちに妾をつくっては遊んでいるので三股ぐらいは当たり前であった。
若き日の片岡は実にハンサムで、まあ、日本で一番のハンサム男といっても良いと思う。
ピーターオトゥールを凌ぐだろうと思えるのだ。
片岡愛之助というのは息子だ。再婚のノリカと結婚したのも意外といい判断だったのかも。欲がないところである。若くて子供も出来てだと何かと気苦労も絶えんだろうからな。
妾を殺し、妾の旦那を金目当てに殺すのも、まあ、医者を装って(実際医者の役だが)毒を飲ませたり注射したりでころしてゆく。
大体10月から気詰まりであった私は難しい芸術作品より、寝転んで見るような推理映画を見たいと思い、松本清張を選んだ。これは正しかったのか。よくわからないがストーリーは水戸黄門のように分かりやすいので安心して観れる。
多分このころが片岡の美しさの頂点であったろう。ふさふさの髪に美しい肢体。
現実生活も、モテたと思うと怖い。
松坂も若く綺麗で華やかである。最後はゴッソリ医者からお金をだまし取る田舎出身の女を演じる。
わるいやつらというのであれば、もっと悪くどぎつくしたほうが効果的であったのに。
まあひと昔前の映画である。幼稚なわたしにはこれでよかったよ。