血みどろのドロドロした殺人が次々と起こり、警察も困り果てて、 悪夢探偵なるものを探して
犯人を突き止めることにしたのであった。
悪夢探偵はまだ若い男でものすごくみすぼらしいアパートに弟達と住んでいた。
そのうらぶれたアパートの作りは、何となく懐かしい感じもした。昔はよくこのような建物があちこちに点在していたものだ。
悪夢探偵は真っ黒い服を着ていて相手の夢の中へと入っていき、いろいろなことを探ることができた。
結局事件は殺人ではなくて、何かしら自殺願望を持った者たちが勝手に死んでいたと言うことがわかってくる。
実は、警察の人たちも警察の若者たちもこの社会に嫌気がさしていて死んでしまいたいと思っていたみたいだ。
結局観客の立場の私たちも夢なのか現実なのかが分からなくなるようなあまりにも混沌とした
描き方がしてあり説明ができなくなってしまうのである。解決に至ったのかも、不明である。
この松田龍平扮する悪夢探偵なるものは、幼い頃母親が狂死ており大変辛い思いをしてきたのである。母親は人の心がわかってしまい、苦しみながら亡くなったのである。
龍平も同じ血を引いていて人の心が見えてしまうのだった。そのために奇っ怪な事件に巻き込まれてしまうのだった。
第二話は、高校生が友達をからかってある古い家に閉じ込めてしまう。それから後いつもその友達が夢に現れて眠れなくなってしまうのであった。
眠れなくなった女子高生は噂を聞いて、悪夢探偵に助けて欲しいとに頼みに行く。
この映画では高校生の心理が生々しく現れていてどきっとしてしまう。そういう点ではよく描かれた
映画であったと思う。そうそう本当にこんな風だったなぁと学校の体育館とかを思い出してしまう映画であった。そういう若者の心理がよくできていたと思う。
悪夢探偵はいつも母親のことを思い出してしまう。恐ろしい形相で這いずり回る母親の姿が脳裏に焼きついていたのだった。
つまり、探偵は彼自身が深く傷ついていると言うことである。それでも彼は困っている人たちを見捨てるわけにはいかないのだった。
結局この高校生を助けて普通の生活へと戻してやることができたのだった。また夢に出てきた高校生は、この人も何とか助かってまたまた学校に帰ることができたのだった。これはまさに彼にとっての命がけの仕事であった。
この映画がまるまるフィクションであるという事はよくよくわかっているのだが、なぜか最後まで本気になって見続けてしまった。何か取り付かれたようになってしまい少し怖かった。やはりこれはフィクションであると同時に生々しい現実とつながった物語のよう に、感じてしまう少し変わった映画だと思った。