スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ル・アーブルの靴磨き 2011年公開

速報である。こんなことが起こっていいのか、起こり得るのか。ドンデン返しの奇跡がおこる話なんですから、ちょっといさんで「速報」って言ってみたかったんだ。そくほうでもなんでもないんだけどね。くつみがきはしゅじんこうのおじさんだよ。なんか黒人の男の子かと思っていたが、この子は密航者で警察に追われているの。ただ一人の子に10人からの警察官ってひどいよね。自国においかえすために。フランスはそういう法律で他国の人々を取り締まったのだ。靴磨きは黒人の子をかくまってイギリスに渡らせようという計画だ。ル・アーブルは北の港で、ドーバー海峡でイギリスに通じてるんだ。結構近いぞ。イギリスに彼の母親が居るそうだ。それで主人公のマルクスはものすごく苦労してお金も工面して、その子をロンドンに渡らせるんです。そうしているうちにも、かれの奥さんがすごく悪い病気になって死ぬ予定になっていた。少なくとも医者たちはそう思っていた。奥さんは変わった表情の人で、おっかなびっくりしたよううな顔のお方。でもとても主人に尽くすんだ。日本の奥さんも見習えと言いたくなる。日本は 男尊女卑のおくにやったろ。フランスに十八番(オハコ)をとられたよ。今のにほんの女は平等のはきちがえじゃ。みだれにみだれて何処までいくやら。つまり女が苛立っているのは、男が自分の健康管理とかしっかりやらずに奥さんを常に心配させてイライラと不安にさせるのが、原因ですか。だから女はしっかりせいと言うてるのにだんなはひとっつもかわってくれんので、ますます大声で叫んでるんだな。男にもいうにいわれぬなにかがあるのだろう。自分を管理できない、いや自己管理をー拒む何かがね。

その点、この映画の主人公は健康で、自分の管理が上手い!。つまり靴磨きという仕事のせいだろう。
この世で靴磨きと羊飼いの仕事がいい仕事であると自負していたっけ。
俳優も老年だがかくしゃくとしているんだな。それで奥さんは入院したまんまだしお金がかかるだろうにと心配になる。
でもでも、でもですよ。なんと!
奥さんに面会に行ってみるとおくさんはすっかりなおっていたのだった。
この奇跡は靴磨きが黒人の男の子を救った出来事の御返し、とでも言えるような話だ。
人を助けるために一生懸命になる。欲のない素朴な性格と生活。それらが幾重にも重なった結果として
奇跡は起こった。みんな納得してくれると思う。ふん、ふん。
唖然として説明できない医者たちを尻目に、ふたりは手に手を組んで、病院を後にする。
「さあ、家に帰ろうか。」「はい、そうね。帰りましょう。」
余談だが、日本にもこの奥さんによく似た顔の女優さんがいた。 懐かしいなあ。 黒澤映画の「どん底」で咳ばかりしている女とか「生きる」で役所に行って詰め寄る女とか 、「我が青春にくいなし」の教授の奥さん役とかでなかなかの味がある。似てるんで、おもしろかったな。
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