スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ベルイマン監督の不良少女モニカ

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スウェーデンの「ベルイマン」という名前は、おぼえにくいとおもう。スウェーデン語はなんかすごく訛ってて、いい意味で土の香りがするような言葉がおおいきがします。何か篭ったようなはっきりしない響きに特徴がある。

そこで、不良少女モニカは17才で若さを持て余しているまあまあ平凡そうにみえる少女だ。どこにでもいる特別問題を持たない女の子なのだが。19さいの勤労青年ハリーと恋をして、うるさい親のいる家から飛び出す。青年と二人で島に渡り暮らし始める。季節は夏で島の暮らしは楽しく不自由のないものだった。
しかしモニカは妊娠していて栄養のある食物が必要だった。明るい夏も過ぎ暗い秋と寒い冬が迫っていた。ハリー青年は、嫌がるモニカを街に連れて帰り、きちんと結婚する。19さいのハリーは健気に家族となった妻のモニカと生まれてきた子供を守るために必死に働く決心をして、がんばるのだが、あほのモニカは
映画に行きたいとか新しい洋服がほしいとかばかりいっている。夜泣く赤ちゃんの世話は仕事で疲れたハリーにまかせて自分はぐうぐう寝ている。おまけにハリーの留守に浮気してベッドで男とたわむれている。「別れよう」ハリーの方から別れ話が切り出されるが、自分が悪いとは思ったりしないタイプの17才の少女。これはもうどうしようもないでしょう。わがままを直そうともせずに天然に自堕落に暮らすモニカは若い女にありがちな未熟な子であった。若者の未熟さから来る悲劇って感じ。ただモニカはしっかりした体の持ち主で、お尻のむっちりした大人のようにませた色気の持ち主だった。真面目なことは大嫌いで享楽的生活をこのむ若い女であった。
 
ハリーは一人頑張る。子供を守るし、妻を守ろうと足を踏ん張る。彼は、珍しく真面目な性格をしていて、このタイプはベルイマン監督の分身のように彼の作品の中に姿を現す。「野いちご」のなかでもイーサク教授として出てくる。モニカにはその真面目さがうっとうしかったのかプイっと家を
でていってしまう。赤ちゃんとハリーを残したままで出ていった。やはり、馬鹿なんだろう。しかし、ハリーは赤ちゃんをしっかりとだきしめて一人でも育てていくことをこころにちかう。まあ、あんな「かあちゃん 」はいないほうがせいせいするだろう。やっぱり。ハリーの真面目な現実的な常識主義だけが、救いだった。「父ちゃんがんばれ!」と声をかけてやってもいいだろう。姿をくらましたモニカの未来は言わなくてもだいたい想像がつくことだ。それは我と我が身を刻んでいくような苦しい未来が待っているのではないかと思うのだ。そしてやりなおしたいといってハリーとと子供に詫びをいれてくるのではと思うが、私だったら、この遊び根性はなかなか直らないので、よりはもどさず、こどもにときどきあわせるか、まったく縁を切ってお金の無心をされないようにするべきかなと勝手に想像するのでした。

 

不良少女モニカ [DVD]

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