スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

映画 野いちご あらすじなど

 

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医者のイーサク ボルイはあすドルン大学において、名誉博士号を授かることになっていた。

家政婦さんは、明日の準備で忙しくしていた。息子も医者になっていて、その妻マリアンが、イーサクの家に泊まりにきていた。イーサク先生はもう老人だがまだまだしゃんとしている。
マリアンと先生は大きめの車でルンド大学まで運転していくことにした。その途中に、色々なことがあり、夢を見ているような話になっていく。先生の生まれた懐かしい家に立寄るが、もう荒れ果てている。しかしそこの庭は昔のままでサーラという許嫁が苺をつんでいた。そこに彼の弟が来てサーラにいいよっていた。サーラは結局真面目な先生を振って、弟を選ぶ。そんな場面が走馬灯のように彼の前でよみがえり、かれはもう一度哀しみをかみしめた。優しい彼のどこが悪くてふられてしまったのかと。
道の途中で若者3人を乗せることになるが、女一人に男二人というアンバランスなくみあわせだし、その若い女はサーラの似ていた。そこはかとなく過去からの風が吹き寄せる。
だが若者たちはワイワイ賑やかで、うるさいのだ。「はやくいなくなれ」というかんじだ。人のいい先生は名誉博士号を貰いに行くんだといって自慢して喜ぶ。3人も感心して先生についていく。ただこの無計画に生きている若者達は主人公の老人との対比のつもりだろうが、あまりにもハチャメチャで賑やか過ぎる。こんな悩みも迷いもない若者なんて現実にはいませんでしょう。監督も若者も頭が変という事ですな。
     ところで、息子の妻のマリアンは、突然妊娠していることを告げる。しかしそれは夫から反対され拒否された妊娠だった。変人で死を願うような精神状態の息子は両親に偽りを植え付けられたせいで、そうなったという。偽りの結婚生活、偽りの愛、これらが、彼の心を引き裂き生まれる子供のことを恐れていた。自分のように苦しむのは自分だけで十分だと。そんなむすこの本心を、イーサク先生は苦しいことに知らされることになった。
先生の妻のカーリンは優秀な医者であり科学者でもあったイーサクをきらって野性的で、粗野な男と不倫してしまう。
不倫の相手はイーサクとはかけ離れたタイプの男でこれはこれでとても魅力的に見えるのである。不倫でできた子かもしれないと息子はじぶんのことをおもったりしている。
色々な不備な点が思い浮かび、最後には医者の試験に落ちた恐ろしい夢までみてしまう先生。
まさか名誉博士号の大先生なのに!と思うが。
ドルン大学についに到着。祝砲が鳴らされ、音楽が流れるなか堂々と静々と、名誉をうけとる先生。
「ああ、よかった。」とほっとする。その夜、また眠りに付く先生。
「そうだ、昔の苺を摘んだことなどを、おもいだして眠りにつこう。子供の頃よく、野いちごをつんだのだからな。それにしても、僕のパパとママは、二人で岬で魚釣りしていたんだ。 決して別れたりしていない、いなくなったりしていなかったんだ。」満足そうに、そして淡々と眠りに就く主人公であった。
スウェーデンの映画で、どうということはないが、まとまり良く淡々とした、老人らしい流れがたまらない。まあ、分かる人には分かる。それに、心臓に負担がかからないのは、老人を気遣ってのことか。デリカシーだな。まあ、名作だといってもいいです。
少し複雑なため何度も見直すはめになった。