スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ライ麦畑の反逆者  ひとりぼっちのサリンジャー 2019年  ダニーストロング監督  ニコラスホルト主演  ケビンスペーシー他

このえいがはrebel in the rye で、ライ麦畑の反逆者という意味だそうだ。rebelというのは反逆者の意。

catcher  in the ryeというのは、サリンジャーの本の題名だった。あたりまえだろう、ばか!

作家になろうとするサリンジャー、でも、それは素人には分からない、難しい苦難の道でもあったが、彼は遂にコロンビア大の、文芸講座に入学した。彼の文章は、他の人には酷評され続けた。

 

だが、ケビンスペーシー演ずる教授に認められ、初めてニューヨーカーという有力な雑誌に掲載された。

ウィット教授は、文学の造詣も深く、誰にも受け入れられず、常に反抗的な学生のサリンジャーの才能を見出した、はじめての人物であった。彼自身も作家であった。彼曰く、フィッツジェラルドを見出したのは彼であったらしい。

 

ライ麦の中に、ホモの教授のことが書かれていたが、いやはや、教授もやられたものだ。

そして、俳優も、me  too,のケビンスペーシーだ。キナくさいなあ。

 

今までなかった新しいスタイルを持った文学が彼の作品であった。多くの出版社から書いて欲しいとの依頼が来る様になった。

新しい感覚が、民衆にも受けたのだ。大学で指導したウィット教授や、彼を認めた編集者などが彼を支えてくれていた。

 

 

 

だが、長編を書く前に

世界大戦出兵し多くの死を見たり、自分も塹壕の中で死にそうになる。この戦争を体験してから、もう本が書けなくなったた。彼は深く悩み傷ついた。

 

 

こうして生還できたのも、小説主人公ホールデンのおかげだということは、彼自身も知っていたが。

ホールデンという少年というか青年の物語を書こうとすると、いつも、戦争の幻想にじゃまされて、

一行も書けないのだった。教授も心配し、病院にも行き、宗教にも通った。

 

お前などが、のうのうと、生き残り、なんだって?小説家だと?!

死んだ者の身になってみろ、この罰当たりめ

 

そんな気持ちがつづく数年。しかし彼には、伝道の使命がかされていた、とでもいうのだろうか。

 

数年かかってやっとの思いで、ホールデンという主人公をモデルの小説を書いた。戦時中も温め続けてきたストーリーの主題であった。彼のはじめての長編小説というやつだった。あの教授は、いつも言っていたではないか。「お前は長編を書かねばならんのだよ。作家になるということは。」

 

ライ麦畑で捕まえて」は、ニューヨーカー編集部に、却下されたが、別の出版社が、拾って世に出した。

それは世界中に広まり、ホールデン青年のことが、自分のことの様に思えるという読者が続出した。

家にも学校にもなじめず、惨めな主人公、極寒のニューヨークの街を1人歩く主人公、みんな現実の様であった。

そんなこんなで、何百万部も出版され、どんどん売れてゆくのだった。

1951年刊行以来、今でも売れ筋である。

題名のcatcher in the rye とは、崖から落ちる子らを、捕まえて落ちないようにしてやる事だそうだ。

フーン、意味深だね。

 

 

でも、、でも、なぜかしら、サリンジャーは、森に引き篭もり隠者の様な生活を始めた。

それ以後、もう彼の著作は発表されなかった。

今までの彼の著作を読めば、およそのことがわかるであろう。

 

ただ、あの教授が自分の本の推薦文を書いて欲しいと頼んできた。

かれはは恩師のために、文を書いたのが最後となった。

 

この監督の映画は面白かった。 敬具。

 

 

ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(吹替版)
 
ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー(字幕版)
 

 

f:id:dekochanya:20210513111045j:image藤、wisteria,サリンジャーのことを思うと、何故かこの優しい花色が似合っているように感じる。