エイジ、スギオ、タロウの三人は、いろいろな事情で家出を繰り返し、タロウ(Yoshi )は、学校にも行かず、やっと平仮名が読める程度だった。タロウのことは、親はほったらかしにした。
スギオとエイジは高校生だったが、いわゆる不良であって、街に出ては、ひったくりなど繰り返して遊ぶ金を得ていた。当然、町のヤクザとも絡み合い、十代の彼らは常に、ヤクザにやられて殴られていた。
そんな中、ヤクザの一人を三人で殴り倒し、拳銃を手に入れた。
三人は、仲良くて一緒に空き家で暮らしていた。奪ったお金で、食事もした。
河原で遊び、駆け回る三人は自由闊達に見えるが、心は荒れすさんでいた。
風のように河原を走る若い三人。
ただ、教育を全く受けていないタロウは、なんというか、かわいそうな存在であった。
学校ってどんなだろう?みんな何をしているのだろう、と遠くから見ているのだった。
ただそこで過ごす子供らも、決して幸福そうには見えない、というのが、消し難い真実であった。
社会での成功、勝組になるために、グタグタグタグタ。
エイジはついに退学し、ますます荒れ狂ってくる。ヤクザにやられて、ボコボコに殴られて、頭部に怪我をする。
スギオは、父親が出てきて、この子から、手を切って欲しいと、頼んでくる。
だが、悪童たちと手を切れず、元の鞘に戻る。
かれらはこの社会に、そして家庭にも絶望をしていたのか。ぐたぐたぐたぐた生きている大人たち、子供たちみんな、、いい加減にしろよー!
規則通りに、上からの命令通りに動くことしかできない多数の人々。なんかおかしくねえか。
そんな疑問が、アブクのようにどこからともなく浮上してくる映画。
爆走する三人に、誰が、お説教できるのか?
だが一番真面目だったスギオが拳銃で自殺してしまう。
少し前に拳銃で、ヤクザを一人殺した三人。殺人罪。
そのうち、リーダーだったエイジ(菅田将暉)も、頭部の陥没から吐き気に襲われ、死亡する。
ひとりぼっちになったタロウは学校に向かう。校庭では皆がサッカーの授業をしていた。先生が笛を吹いている。
そこへ、タロウは走り込んでいく。どうしようもない気持が彼を八つ裂きにしそうなのだった。