気もそぞろな、いや、気の滅入ることが続くこの頃の私。毎日ボヤいております。
でも、ドビュッシーだけは違いました。良かったです。
お金持ちのお屋敷に住んでいる娘の遥(はるか)は大きくなって、ピアニストを目指す話。
美人の橋本愛が出てくると、急に、緊張が走って、はりつめた物語になるのね。
この屋敷は、ある夜大火事になっていとこのルシアという名の従姉妹(いとこ)の娘がこの火事で死んでしまう。遥は、逃げのびてなんとか無事だった。
二人でピアニストを目指そうね、と約束していが、ドビュッシーの月の光を弾いてね、という言葉を残してルシアはこの世を去った。
ルシアは、気の毒な子で、彼女の両親は、海外に渡り、テロなどに巻き込まれて死んでしまったらしい。子供を置いて、海外の危険な国に渡る親の行動は理解できないが、そういう筋になっている。
月のように人に優しく光を照らすようにとルシアという名前をつけたのだ。
遥は、大火傷を追ったが、なんとか命を取り留めた。激しい苦痛の末、リハビリによってようやく動けるようになった遥であった。
音大に通っていたため、指のリハビリのために、呼ばれたのは、ピアニストの清塚信也でした。
この人は、本当のピアニストなので、びっくりです。それがリアリティーとなっています。
この人ピアノうまいですね!4歳の頃から、毎日8時間以上の練習をやってきたそうだ。
とうとうコンテストの日が来たが、遥は急に指が動かなくなる。さあ大変。
先生の清塚は、この娘が、遥ではないことにとうに気がついていた。指の長さがが違ったからだ。
君は本当は…。「私は、本当は遥ではないの。私はルシアなの。」苦しみを吐き出したルシア。苦しんだんだねと、ねぎらう清塚先生。
そう言って、魔法が解けて、自由にピアノを弾いて、優勝する。
10年以上の月日を、遙として生きたルシアの苦しみは、どれほどのものだったであろうか。
可哀想なルシア、彼女の両親は外国に行ってしまい、死んでいる。こんな不幸な女の子であった。
知らぬ間に遥になり、言い出せずにいたルシア。周囲の人たちのために。自分のためにも。
最後は美しい「月の光」が流れて、宇宙の星空へと誘うのだった。