スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

風を捕まえた少年 2019年  アフリカ

アフリカのモザンビークは、マダガスカル島のすぐ左に位置する国だ。とても貧しい村があった。そこに住む1つの家族にはウィリアム少年がいた。他の家の子供たちのように学校に行きたい。

日本のように義務教育と言うのはなかったのである。貧しい暮らしの中から両親は貯金の中からお金を出して彼の制服を買ってやったのだった。だが、お金もなくなり、学校を退学させられ、学校も廃校になったー飢饉のために皆貧乏になってしまったのだ。

畑は干からびてしまい作物が実らなかった。数十日分のとうもろこしを倉庫に入れてそれを少しずつ食べていく生活だった。そんな時農民たちの暴動が起こって倉庫のとうもろこしはみんな盗まれてしまう。父親はこの飢饉をなんとかしようと街に出て交渉してみたが無駄であった。彼はカラカラに干からびた硬い大地を耕し始めた。日々、何も食わずの生活だった。何かを得ようとしていた。だが雨が降らない以上は何も育たないだろう。学校に少しの間だけ通ったウィリアムは学校の図書館から発電機の本を探して貪るように勉強していた。アメリカでは発電機を使って風車を回し電気を作っていることを知ったのだった。そして周囲の強い反対を押し切りながら何とか友人達とそれらしいものを作るのだった。彼は子供だったが、彼も必死であった。家族を子供なりに守ろうとしていた。彼には知恵があった。智恵は、苦境の中で彼がさずかったものだったのだ。

木を切り櫓を立ててその上に風車を作った。そして風車が回ると電気が発生し、井戸の水が上がってきた。その水は畑の土をうるおしていった。

これで干ばつが来ても何とか野菜が作れるようになった。もう飢えて苦しむこともないだろう。

彼はその後学校に帰り奨学金を得て大学で環境学を専攻した。

 

大地と自然を相手にした過酷な生活、過酷な労働、農機具もないような農業を見ていると胸が詰まってくる。

父親は家長として必死になって家族を守ろうとする。だがウィリアム少年の新しい知恵はなかなか周囲に伝わらない。父親の持っている最大の財産である自転車を分解して風車を作ると言ったときには

父親は本気で激怒したのであった。だがもう何も失う事は無いと言うところまで生活は落ち込んでいた。

父親はウィリアムに自分の自転車を差し出した。実験でもなんでもお前の好きなように使うが良い、きっとそう言ったんだと思う。

 

風をつかまえた少年(字幕版)

風をつかまえた少年(字幕版)

  • 発売日: 2019/12/01
  • メディア: Prime Video