スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ラストレシピ  麒麟の舌の記憶   二宮和也   西島 秀俊  他  2017年

原作も、あるらしいで。二宮は妥協を許さない料理人である。二宮は、新鮮かつ高い食材を使ってうまいものを作り、客を唸らせてきた。だが、店は金銭的に行き詰まるし、職人たちもついて行けぬと皆にげてしまった。残ったのは借金だけ。

そんな彼の元に、中国のある男から呼び出しがあった。過去の中国の日本満洲国で作られた幻のレシピを、再現して欲しいと頼まれたのであった。山形という料理人(西島秀俊)は、いちど食べた料理の味を決して忘れない絶対味覚と言うものがありそれを再現できるのであった。

天皇の料理人にもなれるだけの実力の持ち主であり、格のある人物であった。彼は満州国で軍隊たちに守られながら料理を作っていった。だが、何年もかかって作り上げた極上のレシピは、今どこにあるのか分からなかった。

中国人の男は、実は、山形と共に、レシピを開発して行った仲間であった。

ロシヤ人の要人を唸らせたレシピなどが載っていたらしい。

西洋人たちは、日本人のシェフ山形を見下していたが、美味しい料理に驚くのだった。

 

二宮も、麒麟の舌といわれる、絶対味覚の持ち主だった。

山形は、戦争のために、中国人に捕らえられて、獄中で殺されていた。日本軍も解散し、にっぽんの高官たちは自殺を図る。

レシピを持ち帰った中国人の若者は、今は老人となり、死ぬ前に山形の生命をかけたレシピを孫に渡そうとしたのだ。老人は、中国から送られたスパイで、日本軍の厨房に潜り込み、情報を流していた。

だが、山形が殺されたのを見て、ショックを受け、レシピを持って逃げたのだ。

 

二宮は、母も死に孤児として育ったが、育ての親も、実は山形の片腕として働いていた日本人であった。

二宮は何も知らないまま、料理人になって、そこに情熱を傾けてきた。。だが、彼の店は、もうない。

導かれる様に、辿った祖父の軌跡、母の軌跡。

その真実を知った彼は、もう投げ出すことはなかった。全てが不思議な縁であった。

彼は祖父山形の命のレシピを今、手にしていた。

 

美しい包丁裁き、美しく正しい包丁の持ち方。それが、この映画の肝である。

握ってしまうと、ジャガやリンゴの皮も向けませんからねえ。

 

ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~