スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

希望名人ゲーテと絶望名人カフカの対話; 頭木  弘樹著  編訳

対話とあるが、対話のない本である。ただ、並べてあるだけだ。  ただ、カフカの言葉は、日記など読めば、出てくるものである。

ドイツ文学を専攻した人だろう。二人の経歴が、詳しく書いてあった。それは色々書かれていて、人物の歴史を知るのにはもってこいの道具となる。

私としては、父も母もカフカを見送った。戦前に死んだカフカにとって、母と妹二人が、約20年後にナチスに捕らえられ死んで行ったことを知らなかった、死んでいたので、知る由もなかったことが、何より慰みになるというか、苦しみというか、不思議なめぐりあわせのように感じる。こんな事があってもよいのだろうか。

 

白いページはゲーテ、黒いページはカフカという風に、仕切りが付けてある。

たしかに、2人はドイツ語で小説を書いた作家である。ただ似ているのはその1点のみである。2人は水と油のように違うのである。

カフカゲーテの小説をよく読み馴染んでいたのではある。

そういう事実はあるのだがこれではまるで犬と猫を連れてきて、どうですこの2匹は全く違うでしょうと言って威張っているペット屋さんのような具合である。

読んでいても見ていてもただただ不愉快になるばかりであった。ゲーテの素晴らしさは確かに偉大な作家であった。

カフカについては幾度か再読してみると意味がわかってくるような気がする。このような作品を書くことのできる人はいないのである。

なぜこのような本を作ってしまったのか、過去の偉大なる作家に対しての冒涜のような気がしてならない。

 

本の表紙は、上のような長い題名が途中からちょん切れている。だから、題名は、本のおしまいを見て初めてわかる!

コレは、本の帯を脱いで図書館におかれていた本だからだ。f:id:dekochanya:20200730214729j:image

こんなひどい表紙は初めてで、読者さえも舐めた態度である。

最近よく見る軽いタッチのイラストが点々と描かれた表紙にも、気抜けする。

本気さゼロ%、まあ、コレ読む人の程度に合わせてつくってあるのだろうね。

  PS:     草思社のものは大丈夫なのか。