スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

教授と呼ばれた男  1986年  ジュゼッペ・トルナトーレ監督

マフィアのドンを決める戦いが、なんと監獄の中で行われていた。そこで勝った男が、外の世界でも、

ドンになるのである。獄内にありながら、外の世界も完全に牛耳るドンである。

 

子分を集めるために、子分の家族の面倒をきっちり見ると約束すると、子分がどんどん増えて、忠義を尽くすようになった。常に注目され、頼られるのだった。牧師であったら、法王になれただろうと、独白する教授である。

物知りで、賢いこの男は、監獄内で教授と呼ばれ、良きにつけ悪きにつけ、尊敬され、恐れられた。

 

監獄を出所した子分らは次々と情報をもたらし、ボスのために外の世界の調整をも、やってのけた。

 

失業者には、仕事をあてがってやる、そんなことも多くやって、顔がきいていた。

教授はまるで、外で暮らしているようなものだった。おおくの情報量を使い、なんでも知っていたのだった。手下も内外に、たくさんいた。。裁判官も、警察も、秘密警察も、彼には一目置いた。

 

 

ゴッドファーザーでは、マーロンブランドが、ほぼ喋らずにストーリーや動きが、分かりにくかったが、

この映画では、マフィアの内部で、相談している細かい話などがバッチリわかるのである。

ヤクザの考え方の傾向がハッキリ手に取るように分かるので、納得である。

その辺りが得した気分になる理由である。

裁判では

精神鑑定の結果、精神異常と裁判で判定される。

 

その後、たくさんの裏切り者を殺してゆく。だが、最後の殺しで、大物の警官を殺しきれなかったために、彼は生き返り、教授は島送りとなった。

そのうち、本当に精神異常をきたすようになる教授。いつまでもトップにいるためには、そうとうの神経を使っていたのだろう。

 

 

 

最後は海の孤島の監獄に送られた教授は、粗末な部屋に閉じこめられる。

監獄で、きっと多くの子分が助けてくれると信じていたが、全て妄想に終わった。

誰も来てはくれなかったのだ。

全てを奪われた。子分に裏切られるほどつらいことはなかったであろう。

絶望の海の孤島の監獄であった。

初めから何処か孤独な不安そうな男でもあった。

 

 

このマフィアの組織力が、恐ろしいのである。

どんな組織にも、ヒエラルヒーがあり、組織を握る者からの報復の怖さがせまってくる。

誰も逃れることはできない。

 

そう言う意味からも、この映画には価値があったと思う。

ドン役にはマルチェロ・マストロヤンにでもよかったかもしれないが、敢えて別の役者にしている。

それはそれでよかったと思う。

 

この舌を噛みそうな名前の監督は、「海の上のピアニスト」の監督であった。教授と呼ばれたは、初めての映画製作作品である。 あしからず。

 

教授と呼ばれた男 [DVD]

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  • 発売日: 2001/12/21
  • メディア: DVD