スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

審判  カフカ   1914年

この作品は、彼の死後に、知人によって世に出たのである。

 

真面目な銀行員のkは、ある朝、突然逮捕という出来事にあった。アパートの自分の部屋に2人の男が入ってきて君を逮捕すると言うのだった。何のことか分からずにいつものように朝食を取ろうとするkであったが、警察の男たちは、そんなことをしてはいけないと止めるのである。そういうわけでkは朝食を食べずにこの逮捕劇に参加をしていくのだった。

大家のおばさんも、素っ気無い態度であるし、kを、守ってくれる人は誰もいない。隣の部屋の女性も全く自分とは無関係と言うような態度をとり続ける。誰も守ってくれない。

こうやって次の日曜日に裁判所へ出向くことになる。だが裁判所の場所は徒歩でひどく遠くまたごちゃごちゃと立て込んだ所にあったのである。階段まで、入り組んだ迷路のようになった建物は、お粗末でまるで貧乏長屋のようである。なぜこのようなところで判決が下されるのか、ほとんど訳が分からないのであった。

 

しかも、判事の事務所は、クネクネした上の階の埃だらけの屋根裏部屋のようなところが、事務所であった。

これには銀行員の kもまいってしまう。

 

また出てきた判事も、Kの質問をはぐらかすおかしな人だった。オーディエンスの人々もただ意味のないところで野次を飛ばしたりするばかりである。一体何のために何の裁判が行われるのかkにはさっぱりわからないのである。

問題はkの態度によって判決が重くなったり軽くなったりするらしくどのような態度をとれば良いのか非常に難しく困り尽くす kであった。あなたの態度如何で、刑の重さが違ってくる、そのようなことを吹き込んだのはその場所にいるいろいろな人々だった。右を見てはいけない左を見るべきだ。いやそれは間違いだなどと人々によって言うことがコロコロ変わり一体誰を信じれば良いのか心細く立ち尽くすK。とうとう判事の机のところまで行くのだがそこには厚ぼったい本が3冊置かれていた。それを開いてみるとなんとそれは目をそらすような、エロ本であった。一体これはどうしたことなのかそんなことを考えながら次の日曜日を待つのだった。ところがkは判決以外の日はいつもの通り銀行で仕事をした。kは上司からも信頼を置かれて優秀な銀行員であった。このように真面目に働き常識ある生活をしている彼がなぜ逮捕されたのであろうか。彼は、早くこの問題を解決する為に精一杯の知恵や、感情を駆使したのだが、どうにもならない。つまり不利にならない為には、どういうことをすればよいのだろうか?

目に見えない網に捕らえられた鳥の如く、もがいても、無駄であった。一種の観念のような網であった。権力のような得体のないものに、捕らえられたということか。とつぜん、建物のなかの人々全体が、実は全員グルであったと、見破ったk。もがけばもがくほど、訳のわからない深みへとはまってゆく k。

読めば読むほど人間に対する不快感が体を走るようだ。怖い話である。

 

今日はここまで。

 

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https://note.com/suppoko/n/n8c568ddcf63e