全ページ、読み終わったのであるが、5日もかかってしまった。文字を読むとすぐに睡魔が襲って来るせいだ。
ノーベル賞作家と思うと、つい気負って疲れるのだ。
何か、勝手に酷評してしまい、ちょっと気の毒に思っている。憎まれても良いと、彼は達観している人物だろうか。
ママが出てきたり、リウーという名前だったりと、ちょっと、格好をつけすぎた感があるね。
カミュが、異邦人として自分を自覚したのは、どうしても、階級の埋められぬ格差を感じて生きてきたからではないだろうか。
中産階級の行く学校のリセに入学したとき、彼はカルチャーショックに悩んだ。母は、字が読めない人であった。
こんな彼が、自分を「異邦人」と思うようになったのは、当然かもしれない。
ペストでは、伝染病に翻弄される人間たちが描かれる。また、そんな中でもリウーらと仲間たちの必死の働きがすごかった。
どんどん死んでゆく人間対医者らの努力、とうてい勝ち目の無いない闘いは続いた。多くの人間を墓場へ送った後
最終的には、ペストは、自然に消えていった。何処ともなく街から消えたのである。
この街の人間が、全ていなくなるのではと、心配していたリウーの予想は外れた。
同じような意味で、カミュの予想もちょっと、外れたのだ。
心のない文章、夢のない物語、何も夢想家のように煙を吐けと言うのではない。夢がなければ、この世は詰まらないではないか。