スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

今夜、ロマンス劇場で   武内英樹監督  2018年   綾瀬はるか   坂口健太郎

武内監督は、テルマエロマエ、翔んで埼玉などの作品を作った人だ。まあまあまあ、おさえておさえて。

今回は綾瀬はるかと駆け出しの映画監督役のー坂口健太郎ラブロマンスである。

美しい綾瀬はるかは映画の中のお姫様であった。いつもパーティーばかりで退屈な毎日を過ごしていた。かなりのおてんばであった。その古い映画を坂口が見つけて映画館で毎晩のように見ていたのである。ある日突然映画の中のお姫様が坂口の前に現れる。それは美しいスクリーンの中の姫そのものであった。人間離れした姫と、たどたどしい坂口との同居生活が始まる。それは何かヘンテコリンなものであった。坂口のこと召使いだと思いいろいろ命令ばかりしてくるお姫様と、姫を大切にしようと頑張る坂口。少しずつ2人の間にズレが出てくるにもかかわらずお互いになぜかひかれあっていくのである。

 

ただ大きな問題がそこには横たわっていた。愛し合っていてもお互いに手を触れたりすると姫は消えてしまうのである。そしてもう二度と会えないのかもしれない。そんな恐れを抱きながら暮らす2人は

とてもつらく、お互いに苦しんでいたのだがそれを二人はお互いに表に出す事はしなかった。思い詰める二人のloversであった。

ある日坂口に結婚話が持ち上がる。それは映画会社の社長のご令嬢であった。

その女性と結婚すればきっと坂口は監督の道がすぐに開けるのであるし、いろいろな映画も自由に撮れるということになる。

 

ところが坂口はあのスクリーンのお姫様のことがどうしても吹っ切れないのだった。それでとうとうその社長の令嬢との結婚を断りやはり綾瀬の方を選んだ。

写真館に行って結婚の記念写真を撮る2人。2人は触れないように近寄ることもできずコロナのように間隔を開いて写真を撮る2人であった。

 

これってコロナの暗示のようだな。

 

触れることのできない熱い愛であった。これを坂口は死ぬまでやり通したのであった。坂口は今はもう老人になり

病院で寝ているのである。そこにお見舞いに来るのは全く歳をとらない綾瀬である。

綾瀬のところに坂口が危篤であると電話が入る。急いで坂口の所へ駆けつけるがもうすでに虫の息のような状態であった。綾瀬は勇気を出して最後に坂口の手に触れ胸に頬を当ててみる。そしてかれの暖かさを直に感じるのであった。

そうやって坂口は臨終を迎え、綾瀬は現実の世界から消えていったのである。

この老人になった坂口の役を演じたのは加藤剛である。力なく横たわる加藤剛の有終の美を飾る演技で

この作品は素晴らしいものになったのである。

加藤はその4ヶ月後に本当に亡くなった。合掌。

 

つまらん映画だと思ってずっと見ていたのであったが最後の最後で感動させてくれる面白い映画であった。ではね。

 

今夜、ロマンス劇場で DVD通常版

今夜、ロマンス劇場で DVD通常版

  • 発売日: 2018/08/17
  • メディア: DVD