スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

奇跡のりんご   阿部サダヲ主演 2013年  中村義洋監督

木村秋則という男は、木村家に婿養子に来たが、りんご農家の後を継ぐことになった。

気候の変動などで、良くも悪くもなるりんご生産は、、本当はやりたくない仕事であったが、婿に来た以上やるしかなかった。ま、実話なのだし、「秋則」という名前が、やはりリンゴと深い関係があったと思われる。

 

津軽のリンゴは日本の中心と自負する青森の人々。日本中のリンゴ農家が、あまりの難しさから園を廃止する中、津軽だけは園を続けた。その労力は農薬の無かった時代、口には言えないほどの苦労があった。

 

今では厳しい農薬を10数回も撒く仕事には、体がついてゆかず、また、妻も、病気で寝込むことが多かった。

木村は妻のためにも、無農薬で栽培できないかと考えた。昔の苦労に戻りたいというのか、だれもが訝った。

ここから苦難の道のりが始まったのだった。りんごには、ものすごい病気と害虫のつくのが当たり前であった。農薬なしでは、育たないとされた果物である。手入れにも手がかかる果実の木リンゴ。

虫がつくと、何千何万の大群となり、木を食べ尽くす。

だが、それでも、彼は10年以上、無農薬で研究するのは変わらぬ日常であった。一旦やりかけたことは、とことんやり抜くそういう男。

とうとうお金もなくなり、電気も止められたが、やめなかった。村人は狂人として扱うようになる。

 

だが彼も家族も疲れ果てていた。彼は山で死のうと思い、一人歩いて行った。ところが、そこで、山の中の一本のリンゴの木と出会う。

虫もつかず、スクスクと生茂るリンゴの木であった。驚いて、下を掘ってみると、ホクホクとした良い匂いの土があった。思わず食べた!

 

これだ、問題は土だったのだ。

土を山の土のように草を生やし自然に戻せば虫もつかぬ良い木になると分かった。10年以上の月日が経ってしまっていた。

土の力に気づいて後苦労したりんご園は、見事に復活し、花がたわわに咲き、りんごが成った。

村の人々も、驚いて、リンゴ園に集まった。穀潰し(かまど消し)の木村の園に花が咲いたと言う噂は、広まった。とても美味い美味しいリンゴは、人々の心を掴み注文が全国から来るようになった。

 

彼の苦労話は、ご存知のように本になり、彼は、講演に呼ばれる身となった。

 

無農薬で、この闘いは、生易しいものではない。

汚れた野菜汚れた空気や雨、農薬と、化学肥料で、すっかり作物が育たなくなった畑はすぐ近くにあるだろう。

 

無農薬というのは、思った以上に難しいものだ。昔の農業に戻った感覚もある。私が子供の頃は一日にち中、水田で、草をとる農家の主婦達。

これらの人々に支えられてコメは作られていた。川には、魚が沢山いたものだ。せめて自分の家の食い扶持だけでもと、簡単なものはつくっている。たまに農薬を撒くと、全て自分に返って来る気がする。「自然素材」と書かれた農薬なのに、これが結構ヤラレタ感満載である。

 

 

 

奇跡のリンゴ

奇跡のリンゴ

  • 発売日: 2013/12/20
  • メディア: Prime Video