三時間以上もあるシンドラーを見るか、ドストエフスキーのカラマーゾフの兄弟を完読するか、どっちがいいの?と自問自答してというのは嘘だが、今流行りのシンドラーを選んだ私。スケートの曲にも選ばれてるっていうじゃないの。
リーアムニーソンという俳優が主役に就いて本気出していたように見える。
スピルバーグと気が合ったせいでか、良い画像ができた。
怖がるユダヤ人たち、明日をも知れない命を救うために影で奔走するシンドラーであった。
なんの理由もなく、いつでも殺されてゆく彼等を見て以来彼の心には変化が起きていた。
表向きは軍需工場の社長である彼は、ユダヤ人たちを工場で雇って、命を救った。
ユダヤ人は賃金がとても安いという建前であった。
儲けたお金で、ドイツ兵を買収しては、救える者を救っては工場へ入れた。彼の工場ではユダヤ人たちは安全であった。
危険極まりないやり方にナチスから怪しまれて処刑になるかもしれなかったが。
実際本当に投獄されたのだが、すぐに出て来たのだった。
生まれつきの気の利いた口調や、頭の回転で、いつもうまくすり抜けてしまう賢いシンドラー。
彼のおかげで、1600人ほどのユダヤ人がホロコースト行きから救われたのだった。
他の俳優は、ハンサムなレイフファインが冷酷な大佐を演じた。この男はその時の気分次第で、誰彼となくぶっ殺すという恐ろしい男であった。とても恐れられていたが、酒と女には弱かった。
ベンキングスレーは、ガンジー役で有名だが、ここで忠実な会計士をやって、シンドラーの手足となって動き最後まで支え続けた。工場のユダヤ人たちの苦情係でもあり、一人一人を把握して、命へと導く人間であった。
最後にはポーランドにも、とうとう終戦の知らせが来て、ドイツ兵たちは逃げていった。
自由の身となった彼らに連合軍は、どうやって生きていたのかと不思議がるのだった。
ポーランドまで行ったのなら死んでいて当然であったからだ。
最後のお別れの時、ユダヤ人皆の署名と、指輪とが贈られた。
ナチスの党員であった彼は、連合軍につかまるだろうから、その時のための安全策であった。
彼らを救うために全てのお金を使い果たしたシンドラーであった。終戦を迎える頃にはシンドラーは莫大なお金を使い破産していた。
殺されそうになった人々の恐怖と、シンドラーに救われた時の喜びとが交錯する。
最後まで、シンドラーがナチスに囚われるのではないかとハラハラ心配しながら観ていた。