スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

穏和なクセーニエ  1830年   ゲーテ遺稿より

潮出版の、ゲーテ  全集一巻より、穏和なクセーニエという箴言集の様なものを得た。

私の持っている全集には載っていなかったので、「zahme  xenien」から 探してゆくという事までしてしまった。

 

ゲーテ  晩年の、とはあっても、82歳で亡くなるまで若い頃から貯めたあった諸々の評論的心象である。

評論というは、正解ではないだろうが、読みやすいことはオススメである。短い文章が、連なるのみであるから。

箴言集とも言われている。彼独特の酢いも甘いも噛み砕いたゆったりとした言葉に、何か心が安らぎ、苦心惨憺している自分の味方を得た様にに思えるのがうれしい。

 

そこに健全な心がなければ、良い芸術、救いを持ち、こころにひびく芸術は生まれないというゲーテ

 

人の心を救うという事が、なぜだかゲーテ作品にはふくまれている。人々が、ゲーテ  に惹かれていくのは皮肉ではなく、救いがあるからだ。大小を問わず誰の心にもそっと寄り添う彼の健気さに、ホロリとする。これは本来秘密裏に行われる事だが、、時代が時代ゆえに、もう時効ではあるまいか。

いやまだ早いかも。

 

序章には、ローマのホラティウスの言葉が載っている。汚れ腐り果てた世の中が嫌で、秘密の言葉を、隠れて書いて行くホラティウス君である。

 

ゲーテ  も、その天分ゆえに、妬まれ続けた1人でもある。ある事ないことケチをつけられて苦しめられたのだろうか。晩年になって、思い出してそんなことにはさしてめげなかったと吐露している。

つまり。ゲーテ  は、ケチをつけられる人々の気持ちがよく分かっており、これらの人たちの応援団、味方というわけである。

 

温順なる、穏和なるというのは、もう辛辣な言葉は使わないが、わてにはわての生き方があるのさと、言って、しかも尚、最後まで、高い文学性を保ったままの箴言の数々が、居並ぶ。

 

ゲーテ  1749年ー1832年  82歳。

 

 

新装版・ゲーテ全集 1

新装版・ゲーテ全集 1