スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ジェームスブラウン 最高の魂を持つ男 2014年 ライトテーラー監督

がっしりと長い映画であった。

チャドウィック  ボーズマンが、ジェームス役で主演だが、彼は、歌も踊りもとてもうまい。

懸命さが伝わってくるようだ。

ただ、体が、細すぎてジェームスブラウンの貫禄が出ていないのが、惜しいところである。

本物のブラウンは、あの、ローストビーフの塊のような、首が太くて肉厚な体躯が、おもしろいのである。

あの体で、ピョンピョン跳んだり、全開またびらきも軽々とやってのける。

足もクネクネ滑って動き、いつの間にかマイケルジャクソンを思い出す。

マイケルは、ブラウンをとても尊敬していた。

この映画で、ブラウンが、どのようにしてのし上がって一流の歌手になったのかが、あまりフォーカスして的確に、描かれてはいない。

子供の頃、極貧にあえぎ、母からも父からも捨てられ、働きながら孤児のようにして育ったのである。

貧しさ故の苦しみを浴びて子供ながらに、何かを感じていたのだが、運が開けたときには、

ものすごいパワーで歌に突っ込んでいった。

誰も歌ったことのないリズム。それは、彼個人の体内からのものだったからだ。

キーッ、キーッ!という金切り声も特徴であるが、こんな声を出す歌手は今までいなかったのである。

 

有名になるに従って、孤独感にもさいなまされる。

グループは、独裁的なブラウンに反抗して仲間達は去って行った。

ブラウンばかりが王様のように、もてはやされて、他のメンバーは面白くなかった。

 

新しいバンドと組んで、大きなシアターで、ライブをした。アポロシアターではビッグなライブをして成功する。

 

時代は、ディスコ全盛時代になり、ブラウンのような個性的な歌は忘れられていった。

ディスコでは、軽いノリの魂のない歌がもてはやされた。

人気が低迷するブラウンであったが、やはり彼のファンはいて、根強いエールをおくっていた。あの存在感は独特であろう。

彼のパワフルな歌声を聞くと元気になるからだった。魂の栄養剤といったところだ。

 

労働歌のようなフィーリングが、スッポコは好きだ。

 

彼はなぜあそこまでパワフルでいられたのだろうか?

やはり、薬中ではなかっただろうか。

ふとそんな疑問が心をよぎる。

 

まあ、このお盆休みに、ジェームスブラウンの映画が観られてよかったよ。

長い映画だったがね。

映画のフィナーレでは、安らかに眠れというような音楽が流れて、まあ、命あるもの皆あの世に行くんだなあと、お盆らしい気持ちになれたのが不思議であったし、嬉しかった。

 

映画は、最後の歌とかが良いと、全てよしという感じで、最後の締めが大きく響くものである。

この映画は、その意味では成功している。

あとはケビンコスナーの、ボディーガードの最後の歌、ホイットニーヒューストンの歌が良い。

この2個ぐらいかな。