4歳の男の子の「くんちゃん」は、妹ができて、大パニックに。
家族中が、妹のミライちゃんにおおわらわで、くんちゃんのことは、誰も見ていないし、世話もしてもらえなくなったのだ。プラの電車で、妹の頭を殴るくんちゃん。完全にイカレタお兄さんになってしまった。
家出して、というか、その日も、半ズボンの色のことで、いうことを聞かなくなったくんちゃんを、両親は無視してしまったので、一人ぼっちのまま、くんちゃんは、電車で東京駅まで来てしまう。
電車マニアのくんちゃんは、嬉しそうに新幹線を見ていたが、急に不安になる。
何もかも飲み込んだような巨大駅東京(田舎者から見れば)、で、本当の一人ぼっちの迷子になったくんちゃんである。ミクロの決死隊のように、あちこち歩いて見ても、全く家に帰れるように思えないのだった。
怖い駅員さんに、怖い地下の真黒い電車に乗るように言われたくんちゃん。
だが、この汽車に乗ると、本当に、もうお家に帰れなくなるというのだった。
君の名前は?「くんちゃん」。でも、でも、お父さんの名前?お母さんの名前?すら全く言えないくんちゃんであった。
4歳児ってこんなもんだよね!あなたは、この年の頃、両親のネームスラスラ言えましたか?
困りはてていたときに,突然、妹のミライが現れて空へと連れて飛んで行く。女子学生のミライ。
君は誰なの?
ああ、私?、でもくんちゃんにはすぐに分かった。妹ミライの掌にはモミジ状の赤いアザが走っていたからだ。
生まれた時から手にアザのある子であったのだ。
そして二人は空を飛んで、時空を超えて、パパや、ママやお爺ちゃんの若い頃の様子を見るのだった。
そうやってくんちゃんは無事に我が家へたどり着く。
夢ばかり見ていたくんちゃんは、少しずつ大人になって行くというお話。
可もなく不可もなく、うまくできた作品だと思った。