スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

羊の木 2017年 吉田大八 監督

錦戸亮主演  かな。   後は、いつも不機嫌そうな木村文乃  、 松田龍平 などが、出演。

吉田は、だいたいヒットメーカーの監督の一人だ。ストーリーよし、役者よしと、ソツなくこなす人だ。

カメラを止めるな、の監督というべきか。観てないが、上手くまとめられすぎると、、こじんまりしてしまう気がして、

これって、寂しいよ。「美しい星」なんてとてもすばらしい作品だったが、どうしても、足踏みすることもあるのだろう。

 

 

ある漁村というか、うらぶれた海の町に、集まって来た10人程の人達は、皆、怖い過去を持つひとばかりであった。例えば、殺人とかだ。

この人たちを、この漁村で引き受けることにして、錦戸は、役場の、その係であった。

刑期を終わった人々が、ここで、職を持って、更生して暮らす事が、そのプロジェクトのスローガンとなっていた。

 

ムショ帰りの元殺人犯たちと付き合いながら、夜は職場のバンドのメンバーと、エレキギターを引いて趣味を続ける錦戸。戸惑いや、つまづきを一つづつ乗り越えていく真面目な錦戸であった。

さすが、関ジャニなのか、ギターに慣れている。

そこに、ある夜、松田龍平がメンバーに入いる。すぐに、文乃と仲良くなって付き合いだしたので、錦戸は心では怒ってる。同じ役場に勤める文乃は、一緒にギターも弾き、彼女は自分のものだと思っていたからだ。

 

だが、突然、松田は、村の人や仲間をポンポン殺してゆく。悪魔に魅入られたのか。

それが彼の人生であった。カッとなると、止められないのだった。

そこの部分が、一番悲しい場面であった。何に支配されているのだろう。

やっと更生して、これから次の人生をと、やってきた所でも、やはり重い罪に、捕らえられてしまう。

不運な男。

 

散髪屋に勤めた男は、カミソリを持つたびに、手が震えてうまく切れずに困っていた。

人を傷つけてしまわないかと、自分に怯えているのだった。

ムショ上がりであることも、隠していた。だが、散髪屋の親父は、できた人で、自分も実はムショ上がりである、と言い、お前の気持ちはわかるから、一緒に頑張って行こうと励ました。

それ以後、この男は心を入れ替えて、懸命に、練習をして、信頼を得て行く。

 

松田の悪魔は、錦戸まで殺してしまおうと、絶壁の崖の上で、首を締め付けてきた。

殺されそうになるが、逃げられず、今度は、手を繋いで、崖から海にとびおりた。

海の中、

松田の上に、大きなのろろ様という神の頭部が、突然に落ちてきて、彼は死んでしまう。

錦戸はたすかった。

神の化身の巨大な像が、村のシンボルとして、崖にかざってあったのだ。 

 

海の神の祭りで、のろろ様を目視してはならないという変なお祭りがあって,松田など死んだやつらは、皆、頭巾を脱いで、平然とこの神を見ていた者らであった。

バチがあたったのだろうか。

 

羊の木、とは、木に羊の実がついて、その実から新しい羊が生まれるという、伝説の話である。

その絵が飾られていたが、木に、ヒツジが成って、ぶら下がっている。

はじめは、木に、羊が、刺さっているように見えたので、残酷な絵かと思ったが、「羊が成る木」、であった。  昔の人の豊かなる生活の幻想から生まれた絵であろう。

 

 

 

 

 

羊の木(DVD通常版)

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