そして父になるなど、リズムのある映画を撮っていた監督だが、全部壊したかったんだろう。
脈絡のない映画を作ろうと思い立ったらしい。
貧しい庶民の生活を赤裸々に写し取ることで、ある意味前衛的と言えるが、あまりに自然すぎて、
あたりまえのことばかりであるし、それでもカメラをもう少し、なんとかメリハリをつければ良いものを、年寄りのよだれのようにだらし無く写し続けている。
男の子は小学校にも行っていなくて、自分で勉強。国語の教科書で、スイミーなんかを読んでいるのが、いじらしい。
高校生は若い子の集まるプチ風俗でバイト。
父は現場、母は洗濯工場で働いている。リチーフランキーは、実はスポーツもできるようだ。
サッカーのボールリフトが、板についていてビックリ。
結局、樹木希林や、リリーや、サクラを、使ってみたかったというのではないの?映画も忖度で作られてるんだね。
日本では代表的な役者ばかりだからね。
海に行ってその数日後、おばあさんは死んでしまう。
樹木希林は、本当に死を覚悟で、この映画に出ていたかもしれない。
薄汚れた都会のババアをうまく演じていたと思う。体しんどくなかったのかな。
ただ6人で海に行ったときに、如何にも仲良さそうにしていて、呆れた。まさかである。
演技も何にもあったものではない。
映画でいっ時仲良くなっただけの出演者のまんまであった。もともとそういう作らない映画だったのだ。フーン。
5歳ぐらいの女の子は、親に、暴力を受けていて、この家族が保護して育てていた。
のちに家に帰るが、幸せにはなれなかったようだ。
まあいいけど、せこい生き方で食いつなぐさまは、日本の生活水準そのままであり、別に珍しいものでもない。
男の子が、万引きで警察に捕まって、そこから偽家族の全貌が明らかになっていく。
何事もなければ、ずっと永遠に、家族ゴッコができたものを…。いや無理か。
カンヌで、賞をもらってどんな凄い映画だろうと、期待すんな。