スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

自然居士(じねんこじ) 観阿弥

京都のお寺で、説法をしている自然居士という僧がいた。まだ若い僧であった。

そこへ、女の子が綺麗な着物を持ってやってきて、両親の供養をしてくれという。

この子は孤児であった。供養の着物を買うために、人買いに身を売った子供であった。

人買いが、子供を船に乗せるために、さらおうとするが、僧は、子供は渡さないと言って、拒否し続けた。綺麗な着物も、人買いに渡した。

人買いはおこって乱暴をしようと、刀を突きつけて、僧を殺そうとしたが、僧は、ガンと拒んで動じなない。僧を殺したとなると、いろいろ面倒である。ついに、押し問答をしたが、

どうしても子供を渡さぬので、僧は自分の命も投げ出す様子であった。

じゃあ、子供は返してやるよ、と、言って、「その代わり、舞を踊って見せろ」と言った。

舞が上手だったら、子供は返すよと。

烏帽子を被らされて舞をして見せる自然居士。

上手である。おもしろがって、もっと踊れと言って、愚弄する人買商人たち。

今度は、鼓を持たされてテンテン叩きながら、舞ってみよという命令。

これでは猿回しの猿である。

これも面白く上手に踊って見せる。これは人買いたちも、ぐうねも出ないほどの、真剣で上手な舞であったのだ。

ついに、商人たちは、子供を譲り渡したのだった。

自然居士の強い信仰心と行いは立派なものだった。自然居士と子供は再び都の土を踏んだのだった。