スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

武曲 Mukoku 熊切 和嘉 監督 2017年 綾野 剛主演

綾野という名前は、とても芸名ぽいですね。

剣道で道を誤ってしまった主人公のストーリーです。

こういう暴力的な映画では、彼の演技が光りますね。   少年の頃から、父親にガンガンに、鍛えられて、恐ろしい修業を絶えずやらされてきた綾野であった。

何か剣道というものは一本気で、精神集中の極みのような感じがした。神聖な場という感じもある。

 

父親は口調も厳しく、酒に溺れるようになっても、減らず口だけは健在で、青年の綾野を挑発した。

父が酒に溺れたのは、何かがあって、酒に逃げた弱い人間だったかららしい。

そんな父を、青年は倒した。「本気でかかって来い!!」怒号のような命令だった。

 

結果、父親は、頭を打たれて、そのまま植物人間になってしまった。本当なら死んでいてもおかしくない状態であった。

その、トラウマが、ずっと綾野の頭から離れない。綾野も、毎日酒浸りとなり、真剣に剣道で向かう相手が、どうしても父の姿と重なって見えて、そのことで怯え、恐れ、竹刀が握れ無くなっていたのだ。

 

父から教え込まれた剣道は彼の血となり、天才的な腕前であったのに、酒に飲まれて、手も震え、ついに、アル中であった。

彼は、まだまともだった頃は高校の剣道部の指導もしていた。その頃の、恩師(柄本明)が心配して、彼を更生させようとする。

高校生の虹郎が剣道の天才的才能ありと見極めた柄本は、二人を対戦させようと試みる。

 

だが綾野は対戦を拒み、いつも逃げてしまうのだった。そしていつものように、酒を浴びるほど飲み、歩けないほどの状態になるのであった。

 

そこに、虹郎が来て、試合をすることになる。

虹郎が父親に見えて来て、怯えてしまう。死闘を繰り返す二人、そしてついに、竹刀で相手の喉をついたのだった。

虹郎は負傷して倒れてしまう。

綾野もじつは、胸を切られていたのだが。

 

その後、柄本によって、綾野は性根を入れられ、我に帰る。

「お前が刺したのは、父親ではなくて、この虹郎だ!」

自分が父の幻影に囚われていたことを悟り、正気になっていく綾野。

 

この映画では、父親とのトラウマが中心に描かれて、綾野が、その幻に操られて翻弄されて、人生を潰されて行く様子が描かれていて、本当に何処かにありそうな話だなと思った。

気の毒というかかわいそうな彼であった。

最後は更生し、人生を再生していくので、やっと、ホッとした感じになった。

男って大変!だすね。

 

 

武曲 MUKOKU

武曲 MUKOKU