スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

キャタピラー 若松孝二監督 2010年

寺島しのぶが主演で、結構宣伝されたが、結果はどうだったのか知りません。

戦争で手足をもがれ、胴体と頭だけ残した体で帰ってきた夫は、喉が焼けていて、口もきけないのだった。

夫は勲章をたくさんもらっていて、兵隊の模範だとして、「軍神さま」と、皆から呼ばれるようになる。

妻のしのぶは農業をしながら、今は夫の世話に明け暮れる。

口のきけない夫の言葉を察して、世話をするので、良妻の見本だと言われ、村人からもとても褒められるのだった。

しのぶには子供ができないということがあり、「役立たず」と言われ昔は夫から暴力を振るわれてきた。

だがその夫を世話をし、今では自分の意のままにできるという立場に立っていた。

 

夫はしのぶの体を強く求めた。

だがある日を境に、急に元気がなくなり、全てに無気力になったのだ。

それは、戦争中に女たちに強制してきた性的暴力を、なぜか思い出したからであった。

罪の意識で、苦しんでいたのだった。

そんなバカなである。自分も死ぬぐらいの怪我をして、今更、女をどうこうのと苦しむだろうか。

戦争中は当たり前に行われていたことだし、そんなセンシティブな男であったら、妻に暴力をふるうはずもなかったはずだ。

 

そして広島、長崎と原爆が落ちて、戦争は終わった。

だが夫の体が元に戻るわけではなく、こんな夫を、嘲笑っても、涙も枯れた  しのぶであった。

 

こんなことってあるだろうか。原爆の説明もくどくどしく、アホかいなと思ったが、若い世代にむけたものだろう。

宣伝した割に、なんか納得のいかぬ内容である。

ポルノの得意とする若松監督だが、ポルノにもなってはいないし、道徳的にするつもりであったかもしれないが、バランスが悪くなってしまったのだろう。

 

まあ、しのぶが脱いだ、しのぶを脱がせたと言う自慢話であろうか。