寺島しのぶが主演で、結構宣伝されたが、結果はどうだったのか知りません。
戦争で手足をもがれ、胴体と頭だけ残した体で帰ってきた夫は、喉が焼けていて、口もきけないのだった。
夫は勲章をたくさんもらっていて、兵隊の模範だとして、「軍神さま」と、皆から呼ばれるようになる。
妻のしのぶは農業をしながら、今は夫の世話に明け暮れる。
口のきけない夫の言葉を察して、世話をするので、良妻の見本だと言われ、村人からもとても褒められるのだった。
しのぶには子供ができないということがあり、「役立たず」と言われ昔は夫から暴力を振るわれてきた。
だがその夫を世話をし、今では自分の意のままにできるという立場に立っていた。
夫はしのぶの体を強く求めた。
だがある日を境に、急に元気がなくなり、全てに無気力になったのだ。
それは、戦争中に女たちに強制してきた性的暴力を、なぜか思い出したからであった。
罪の意識で、苦しんでいたのだった。
そんなバカなである。自分も死ぬぐらいの怪我をして、今更、女をどうこうのと苦しむだろうか。
戦争中は当たり前に行われていたことだし、そんなセンシティブな男であったら、妻に暴力をふるうはずもなかったはずだ。
そして広島、長崎と原爆が落ちて、戦争は終わった。
だが夫の体が元に戻るわけではなく、こんな夫を、嘲笑っても、涙も枯れた しのぶであった。
こんなことってあるだろうか。原爆の説明もくどくどしく、アホかいなと思ったが、若い世代にむけたものだろう。
宣伝した割に、なんか納得のいかぬ内容である。
ポルノの得意とする若松監督だが、ポルノにもなってはいないし、道徳的にするつもりであったかもしれないが、バランスが悪くなってしまったのだろう。
まあ、しのぶが脱いだ、しのぶを脱がせたと言う自慢話であろうか。