とうとう第3話の最終章まで来た。
いろんな親分子分が死んで、大友(北野)は、子分の復讐と、義理のために戦い抜く覚悟を決めていた。
花田(ピエール瀧)がドジをやったことから、花菱組の西田、塩見などが、尻拭いをすることになった。
大杉漣は、花菱組の親分になっていたが、銀行屋からの転職で、根っからのやくざ者にはなれなかった。
古臭い義理などというものを楯に動く大友は迷惑な存在であった。
大杉も死んで、誰が次の組長になるのかと西田らが策を講じている間に
花菱組の若衆らは、大友がみな殺しをして子分はほぼいなくなってしまう。
現実の西田と塩見は、大病を患い、週刊誌などでも報じられていたが、何とか映画のオファーが受けて間に合った。彼らは病人らしく振る舞い、これも演技かと感心する。
特に塩見三省(さんせい)のザラッとした暗い目つきがカッコよく、病気でか演技でか分からぬような迫真の演技となった。自分でも嬉しかったことだろう。
西田も悪の本領を発揮する役で策を弄して頑張っていた。もともと善人を演ずるに秀でた男なので
その口から歪んだ悪の言葉が撒き散らされるのは、怖い気がした。
ピエール瀧は間抜けな親分の役をして物足りない役だったので、かわいそうである。
韓国の大物フィクサーであるチャン会長(金田時夫)も初めは不気味で怖かったが、後半は慣れてきてそれほどでもなかった。激動の1話 2話を超えて、
最終章であるからそれなりにたけしも考えていただろうが、大友は最後はどうするのかである。
チャン会長が子分(白竜)に、大友を始末するように命じておいた。大友はそれも承知であったが、
結局、大友は自分で、死を選ぶのだった。死んだ映像が、とても美しく、まさかと思われる作り方になっていた。
作りすぎである。そこには思考がないので、映像でごまかした感がある。
もう少しでも突き詰めてヤクザとして生きた大友の死に様を一人の人間として描くべきであったろう。
だが、まあ、大友は死ぬ運命であったのかもしれない。当然の成り行きでもある。