スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

美しい星 原作 三島由紀夫 映画2017年 吉田大八監督 リリーフランキー、亀梨和也 ,橋本愛 他

美しい星に地球を戻したいという思いを持った家族,と、地球人は醜い生き物だから,一気に水爆で滅ぼしてしまおうとする異星人たちとの攻防戦である。三島の原作では水爆、映画では厳しい温暖化を無視する政治家たちとなっている。

リリーフランキー率いる四人家族は,つましく暮らしていたがある日、宇宙からの呼びかけがあり四人とも,それぞれが火星人、木星人,水星人、金星人だという自覚を持つようになる。

滅びゆく地球は今まさに、温暖化にさらされ、それを無視して暮らす人間たち。それらに警告を出そうと必死になるリリーであった。今動かねば地球は滅びるが、火星人として、隣人である地球が消えるのはとても忍びない。ということであった。

地球を一気に潰そうとする白鳥座の宇宙人たちは、人間をことごとく軽蔑し、こんなくだらぬものたちを早く葬り去るのが、自分たちの使命であると主張している。

早く死ねば人間らも喜ぶであろうなどと、安直に考えている。

リリーたちはそれを止めようと必死になるが、なんせ大きなパワーすぎて歯も立たぬのであった。

その内に、リリーは悪性の胃がんにかかり、一ヶ月の余命だと家族は知るのだった。

火星人の彼が未期のガン?混濁したストーリーのまま進んでゆく。

金星人の娘は金星人の男と愛し合い妊娠しているが、自分はマリア様のごとくに聖女だと主張する。

 

真実を語ってという娘に、しかたなく

リリーは其れは違うんじゃないの、という。あの男は、金星人ではなく、ただの「女たらしの地球人」だよ、と言ってしまう。

冷静に受け止める娘は、私も真実を告白すると言い出す。

「お父さんは末期がんで、余命一ヶ月よ!」

父親は最後の力を出して、火星に帰りたいと言い出す。円盤が来たことが真実であったと確信したかったのであろう。

皆で担いで、円盤が来た場所に向かうが、果たして円盤は来た!

乗り込む父親、苦楽を共にした地球ともサヨナラだ。

円盤の窓から下を見下ろすと、自分と家族全員が、父親と円盤を見送っているのが見えたのだ。

つまり、魂のみが円盤に乗りのみ、下界を見下ろしているのであった。

これは自分の肉体は死んだということではないのだろうか?

 

なんとも変なモヤモヤした話である。新聞の連載小説であったこのストーリー。彼はしばしば新聞小説を書いている。頼まれるんだろうな。

その後、三島は憂国などを書き進める。

 

 

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