夢で、わては、なぜか庭の土の上にいた。いつも遊んでいた丸い庭に立っている。足踏みすると土も動く。ああ、土は暖かいなあ。ムニュムニュして踏むとおもしろいなあ。キュッキュッキュと土が鳴る。
ちっちゃな草も生えている。
でもあれから55年だ。土も石も木も変わってしまった。変てこりんに、なってしまったのさ。
あれもこれも変更に変更を重ね、古い木を引っこ抜いて改革をしたつもりが、なんの面白みもないない、とっちらかった庭ができたのさ。 時が経つのは早いものだ。跡地にモグラが這い回りイタチが巣穴を掘ろうとしている。
人々が、長い間守ってきたものには、不思議な力があったのに、それを捨ててしまったわて。