スッポコ谷の楊貴妃

もうすでに還暦女子。すっぽこだにで瘀血と戦ってます。ホテルの換気扇が嫌いすぎて旅行できないのが悩み。

ファニーゲーム 1997年 ミヒャエルハネケ監督 オーストリア作品

ドイツ語で話す。アイン、ツヴァイ、トライ(one  ,two,three)などと言う犯人の二人である。

恐怖映画を見慣れた我々は、そんなに怖い映画ではなく、綺麗な映像と、綺麗な奥さんのスザンヌロタールの身を投げ出したような演技に感心した。

悔しいのはアメリカ🇺🇸仕様のファニーゲームのリメイク版があったが、アメリカは大味で嫌だと思い、原版を借りたことが、間違いだったと見終わってから感じたこと。

湖畔に別荘を持つ家族がヨットセイリングにやってきた。クラシックなんか聞きながら、運転する旦那も真面目そうで渋いおっさんだ。きっといいとこの学校を出て、いいとこに勤めている、いやもともと、親の代から金持ちでだからべっそうなんかちゃっかりもっているんだな。

だがだからと言ってあのような制裁を受ける道理はみじんもないけど。

おっさんが足を打たれて動けなくなり、奥さんは、犯人に服を脱ぐように言われる。

其の時に、坊やは白い袋を頭から被せられるだけの話である。

ただ、犯人の二人は、見るからに普通の若い男たちだが、何かが捻じ曲がったような病的な犯罪者である。其の普通さが怖いのである。一見言葉つきも丁寧で、知能も良さそうである。

だから話せば分かるんじゃないかと、期待を持たせておいて、

だが極悪非道なやり口で、幸福だった者たちを次々と死の恐怖に落としてゆく。小学生ぐらいの男の子は逃げたが結局一番に殺される。次は旦那も殺され、奥さんも。近所の別荘の人たちも殺されていて、

助けが呼べない状態にあったのだ。

犯人たちは、幸福そうな人たちが、我慢できないほど嫌いだったのだろう。

じぶんの身の上があまりに惨めであったために妬みに狂ってしまった心。

 

最近の日本の凶悪事件でもアパートにたくさんの死体があった事件、

似たようなものだ。

彼には辛い過去がありどうにもこうにも帳尻の合わない不幸と幸福の計算。

埋め合わせるためには自分より少しでも幸せな者から幸福を奪い取ると言う考えが浮かぶんだろう。

 

 

まあ、やっぱり怖いお話である。しかし、アメリカ版を選ばなかった自分はやっぱりガラパゴスで、あったか。ガックリ。それもこわいゾ。でも誰だってこれくらいの残念な失敗はするよね。

そういう意味で、不快な作品となった。クヤシー。

 

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